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【小説】 惜春の天花 《scriviamo! 2020》

今年も来ました、新春恒例のイベント、scriviamo!2020
イタリア語で「一緒に書こう」と言う意味の『scriviamo』。参加者と主催者で作品を寄せ合うという交流イベントです。
ブログのお友だち 八少女夕 さんが主催されるこのイベント、今年で8回目を数えます。このイベントに参加させていただくのが、毎年、春の楽しみになっています。

では、今回の参加作品を紹介させていただきます。

タイトルは、『惜春の天花』です。

じつは、scriviamo!2020 には、いくつかの参加パターンがあり、今回は主催者さんの指定した課題に沿った作品を書くというパターンを選択しました。
で、その内容が、下記のとおり。

 以下の課題に沿ったものを150字から5000字の範囲で書いてください。
 また、イラストやマンガでの表現もOKです。
 *ご自分の既出のオリキャラを一人以上登場させる
  メインキャラ or 脇役かは不問
  キャラクターであれば人どころか生命体でなくてもOK
 *季節は「春」
 *食べ物を一つ以上登場させる
 *色に関する記述を一つ以上登場させる

私の既出オリキャラには、 『花心一会 第四会』のゲストキャラで、ダメンズ度ナンバーワンの男を引っ張り出しました。

そして今回も、八少女夕さんに無理をお聞き入れいただき、オリキャラのおひとりをお借りしました。
ミラノで照明デザイナーとして活躍している、神谷珠理です。
彼女は、日本にいたころには、これといったお相手もおらず、美しい思い出が残るようなこともなかった。そういう設定だと八少女夕さんから伺いました。これくらいなら、大丈夫ですよね?
彼女が登場する作品群の前日譚という位置づけですので、関連する作品をお読みになっていなくても、単体でお楽しみいただけるようになっています。

胸やけしそうな超甘作品です。
そして、今年の投球も、低めいっぱいでワンバンしそうな超暴投(笑)
他の参加者の方の作品に、クセ玉だとか言っておきながら、自分もこの始末です。八少女夕さん、八回目のお詫びです。ごめんなさい(反省の色なしw)


ということで、2/26に投稿しましたが、諸般の事情で本日3/14に改題と改稿をしました。
目玉は文章の書き方で、ちょっとしたチャレンジをしています。『わかち書き』という、句読点を打たないものです。

もしかしたら お気に召さない方も いらっしゃるかもしれません

という感じです。

3500文字弱の、暇つぶしに読んでいただけるボリュームになっています。
よろしければ、どうぞ

 惜春の天花

 scriviamo! 2020 参加作品  scriviamo.png

※上のタイトルをクリックして本文へお進みください(『小説家になろう!』サイトで閲覧となります)
※追記に暴露話があります。よろしければ、そちらもどうぞ。

じつは……。

作品を投稿している『小説家になろう!』サイトの運営様から、当初に投稿した作品『名残の雪』が規約に抵触しているので削除するか改稿すべし、とのお達しがありました。なんでも、タイトルと内容が、モチーフとした楽曲を容易に連想させるもの、なのだそうです。たしかにそれを狙ったけどさぁ……。
やむをえず、改題と改稿をほどこし、再掲載の許可を得たという次第です。

ちょっと悔しいので、元の作品をPDFで読んでいただけるようにしてあります。
せっかくなので、こちらもわかち書きスタイルになっています。
よろしければ、どうぞ。


さて。
春ソングというと、かならず名前のあがる名曲中の名曲『なごり雪』。
イルカの歌唱が圧倒的に有名で、決定版という扱いになっていますが、じつは作詞者である伊勢正三も歌っています。
せつなさたっぷりのイルカとは違って、全体にあっさりとした印象のヴォーカル。見送る女性との関係も、深い仲だったというよりも、恋仲になる前だったくらいなのかなという感じです。

 

今回の作品は、この歌にインスパイアされたお話、というか、歌詞から透けて見える男性を、私なりの解釈で描いたお話です。

 『名残の雪』 ※PDFで閲覧となります。
TOM-F
Posted byTOM-F

Comments 8

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八少女 夕  

素敵な掌編、ありがとうございました。

珠理は、うちにはよくいる「ぼっち」キャラなので、日本では「彼氏いない歴=年齢」でした。しかも、グレッグ同様、夢中になると周りが見えなくなるタイプですね。集団行動を乱しまくっていた模様。「また」と言っているところを見ると、中学生の雨宮少年にもうすでにご迷惑をおかけしたのかな?

本編の紫陽花への行動を見ると、彼はかなりの情熱家のようですが、告白は苦手だったのでしょうかね。(っていうか、私のせいですね……)彼のアプローチがかなり遠回しとはいえ、珠理の鈍さは絶望的です。おそらく、ドイツとイタリアで人生勉強して、いかに自分が鈍かったかを反省するんじゃないかなあ。って、真面目に書きます。

それにしても、TOM−Fさんの本領発揮です。早春の淡い光と儚さがぐっと心に迫り、珠理にもソフトフォーカス効果がかかって、五割増し美しく描かれていますよね。ありがとうございます。梅も、桜と違ってやはり地味な花ですが、こうした寒さの中に訪れる春の予感を感じさせると、途端に存在感を持つ日本らしい花だと思います。

こちらしか知らない方が、うちに来て本当のあの子を見たら、がっかりするんだろうなあ。共演でいつも得をしてしまう、うちの子たち、本当に恐れ入ります。

お返し、少々お待ちくださいね。
ご参加ありがとうございました!

P.S. 雨宮氏、本編の後、どこかで新たな幸せを見つけたのかなあ。いいことがありますように。

2020/02/27 (Thu) 06:41

山西 サキ  

No title

詩うような文章の連なりに、そのリズムに、情感たっぷりの描写に、酔いながら読ませていただきました。
桜ではなく梅を持ってきたところが彼女の奥ゆかしさとマッチしてとてもよかったです。
「なごり雪」好きなんですよね。
家にはいるかの曲があるのですが、あの声と出だしのメロディーが素敵です。
あ、伊勢さんの方ももちろん素敵ですよ。
この曲(しかも伊勢正三Ver.)からこの物語をイメージする・・・。
TOM-Fさん・・・ロマンチストだなぁ。

珠理はまぁ鈍感というか一途というか、お互いに理解しあえる人が居ればとても上手く行くと思うんだけど・・・。
こういう感性を持つ人ってアーティストとしては結構上手く行くのかな?でも、これも運がありますからね。
雨宮君はよき理解者ではありますが、いかんせん性格とタイミングのせいもあってもう一歩踏み出せずにすれ違ってしまう。ほんとうにダメンズです。
人間同士ってこういうことはよくあるのでしょうが、典型的な上手く行かないパターンっていうか、残念な2人です。
どちらももう少しだけ素直に、積極的に動いていたらもっと違った展開があったかも・・・とか思ったのですが、それではこんなに素敵な物語にならないですもんね。

あ、やっぱり「電車」ではなくて「汽車」なんですね。

2020/02/27 (Thu) 20:20
TOM-F

TOM-F@管理人  

>八少女夕さん ありがとうございます!

>八少女夕さん

今回も大事なキャラを快く使わせて下さって、ありがとうございます。
珠理は、とても書きやすいキャラでしたよ。八少女夕さんのキャラ設定って、多少のアレンジは許容してくれる余裕がありますよね。だからコラボしやすいのだと思います。

あの「また」は、お気づきのとおり、中三の校外学習のときも、二人ではぐれたという裏設定。迷惑をかけたのは、おあいこくらいな感じですね、たぶん。

当初の目論見では、神谷珠理と雨宮貴樹は一時は恋仲に、なんて考えましたが、なかなか話が進まない。思えば貴樹は、女性とのお付き合いは苦手なんですよ。で、片思いにしてやったら、まあサクサク進むこと進むこと。彼の方が、圧倒的な「おひとり様」だったというオチです(笑)

珠理が鈍いというより、あんなアプローチじゃ誰も気づきませんって。というか、ちゃんとアプローチせずに、いきなりコクろうとか、ありえませんから(爆)
あんなことだから、せっかくお付き合いできた「紫陽花の彼女」にも、あっさりと振られてしまうんですよねぇ。

はい、もう好き勝手に書かせていただきました。褒めてくださって、ありがとうございます。珠理は本編でもかわいい子だと感じましたよ、わりとマジで。美化できるのも、それなりのベースがあるからですし。

梅の花って、けっこう存在感ありますよね。桜のようにどこでも見られるわけじゃないですけど、芳香も強いし、生命力みたいなものも感じるし。春を代表する花のひとつだと思います。

あ、あのあと……考えてませんでした(爆)
でもまあ、それなりにいいこともあったと思いますよ。振られたとはいえ、紫陽花を見に鎌倉まで一緒にいくカノジョもできたわけだし。珠理のことは「甘酸っぱい思い出」という感じで美化していて、たぶん普通に結婚をしているかと。

今回も荒れ球で申し訳ありません。これはもう、治らないですね(笑)
お返しの作品、たのしみにしています。

コメント、ありがとうございました。

2020/02/28 (Fri) 20:32
TOM-F

TOM-F@管理人  

>山西 サキさん ありがとうございます!

>山西 サキさん

今回は文字数の縛りがあった(自主規制ですがw)ので、ツイッター小説ばりに、文字を削りまくりました。当初書きあがったものから、三割減くらいです。
ブツ切になったかなぁと思いましたが、雰囲気を読み取っていただけて安心しました。

桜はもちろん大好きな花ですが、梅も負けず劣らず好きでして。おっしゃる通り、奥ゆかしさもあるし、寒い中に花を咲かせる凛とした生命力も感じますよね。

「なごり雪」は、私も好きな歌のひとつです。昭和の歌なんですけど、今でも色あせない魅力がありますよね。イルカ版は、出だしのピアノがいいんですよね。あと情感たっぷりのヴォーカルも。
伊勢正三の方は、記事にも書きましたが、すこしクールで。告白する前に、別れる日が来てしまった、って感じですね。
お、ロマンチストに昇格だ。やった(笑)

珠理が鈍感というより、貴樹がダメダメすぎなんですよね。事実、貴樹は珠理のことをちゃんと見てないんですよ。最後の最後まで、自分勝手な思い込みのフィルターごしに彼女に見ていただけで。
あれじゃ、コクっていても、うまくいっていたかどうか怪しいものです。貴樹はあのあとにお付き合いした「紫陽花の彼女」にも、あっさりと振られてますし(爆)

でも、おっしゃる通り、すれ違いというか、あと一歩が、あと一言があれば、という展開でないと、面白くないですからね(意地悪作者全開w)

そうそう、電車じゃなくて『汽車』ですよね、やはり。電車じゃあ、情緒がないですからね。
舞台にした駅は、東京の郊外にある八高線の明覚駅です。厳密には汽車じゃないんですが、現在も非電化なので気動車が走っています。なかなか素敵な駅舎ですよ。

コメント、ありがとうございました。

2020/02/28 (Fri) 20:33

lime  

この『惜春の天花』というタイトルも素敵だけど、最初のタイトルと、あの歌のあれこれを使えないのは、ちょっと残念ですね。変更前のを読んでいたのに、コメントが今になっちゃってごめんなさい>< でも、なろうってそういう細かいチェックも入れてくるのですね~。すごいな。
この物語、冬が終わり、春になる、まさに今にぴったりで、何ともピュアで、切なくて、じれったい恋物語でした。別れの物語というより、旅立ちの物語でしょうか。
珠理はちゃんと自分の未来を見ていて、でも貴樹は、目の前の珠理しか見てなくて。
大人の階段上る、その一歩手前の二人……ですね。がんばれ貴樹!
梅の色の微かな違い。春の気配。そして駅のホーム、汽車。
情緒あふれる、詩のような文章運びに酔いしれました。
なごり雪が今、いい感じでBGMに流れています。

2020/03/20 (Fri) 17:55
TOM-F

TOM-F@管理人  

>limeさん ありがとうございます

>limeさん

そうなんですよ、まさかの運営対応対象になってしまいまして。
『なごり雪』という言葉は作詞者の伊勢正三氏の造語だと知っていたので、あえて作品タイトルは俳句の季語である『名残の雪』にしたんですけど、それもアウトということでorz
まあ、素人作家としては、大目に見てほしいというのが本音ですが、問題にならないようにチェックしてくれていると思えば、ありがたいことかなと。運営さんの対応も、親切だったし。

さて本題。
おっしゃる通り、三月って、別れの季節であり旅立ちの季節。こういうシーンが、あちらこちらで起きているのでしょうね。歌を聴きながら書きましたので、いささか甘ったるい作品になってしまいました。しかも、ああいう結末なので、じれったい展開はお約束ということで。気に入っていただけて嬉しいです。
珠理はドイツに行くということもあって、時間をかけてちゃんと準備を進めていたと思うんですよ。でも貴樹は、自分の気持ちばかりで、そういう珠理の成長が見えていなかった。この結末は、当然のことなんですよね。
大人の階段、珠理は先に登ってしまいました。貴樹は、まだまだこれからです。応援、ありがとうございます。
ディテールと雰囲気にこだわりすぎたかもと心配でしたが、『情緒あふれる、詩のような文章運び』と評価していただけて、ほんとうに嬉しいです。

コメント、ありがとうございました。

2020/03/21 (Sat) 11:17

大海彩洋  

コメ出遅れた

夕さんが書かれる前にコメするぞって思っていたのに、また出遅れてしまいました。
改変前の散文調から、歌詞のような文に変化して、雰囲気が変わりましたね。
何というのか、見える景色が、文章ではなく映画のシーンが流れるような感じになったというのか。

そして、だメンズキャラ出演も、TOM-Fさんのお話にこういう人が出てくると、なんかほっとするこの頃です。いや、決して、だメンズが出てくると楽しいというわけでも、TOM-Fさんの実感がこもっているとか言うわけでも(ひどいv-292)ないのですけれど、なんだか、落ち着くというのか?(何で?) そういえば、自分でもダメ系男子を書いているとき、ふとTOM-Fさんのキャラたちをイメージしていることに気がつくことがあります。いえ、でも、決して……(^_^;)

でも、歌も物語も「むっちゃはっぴ~」というよりも、こういう淡い系はやっぱりロマンチックですね。あ、サキさんによるロマンチスト昇進ってのがちょっと受けましたけれど、TOM-Fさんはもともとロマンチストですよね(*^_^*) 
淡く消えていく恋心ってテーマは、表現の幅が広がるお話になって、素敵です。そしてこれがTOM-Fさんの文章に似合う。

それにしても、当たり前の言葉になっているような気がしたけれど、造語なんですね。そういう言葉って、知らぬ間にあちこちにあるのかもなぁ。市民権を得ていると言う意味では、歌の影響力ってすごいですね。
さすがに、最近の曲では、一部の人は知っていても、そこまでの影響力のあるものはなさそうだけれど。え? パプリカ? 野菜だって知らない人はいないだろうけれど……そう言えば一時期はセロリだったな。
パプリカは三味線で先生が譜面を起こしてくれたけれど、なんか、メジャーに聞こえない(音色がマイナーなのね)。物語も、言葉ひとつで、「音色」というのか、大きく印象が変わりますよね~。
『惜春の天花』なるほど、TOM-Fさんらしい素敵なタイトルです(*^_^*)

2020/03/30 (Mon) 12:44
TOM-F

TOM-F@管理人  

>大海彩洋さん ありがとうございます

>大海彩洋さん

いえいえ、コメントはいついただけても嬉しいものですので、お気になさらず。

改変については、やむを得ない事情でしたので、どうせならすこし雰囲気を変えてみようと思いまして、あのような文体にしてみました。『映画のシーンが流れるよう』というお褒めの言葉、それを狙っていましたので、すごく嬉しいです。

ああ、だメンズ……まあ、うちにはデフォルトでいますからね。その中でも、雨宮貴樹は極めつけなのですが、まあ、他人様の大事なキャラに無体なことをする男ではないので、ああいうお話には適任かと(笑) ほっとした癒しを与えられたのなら、ヤツも喜んでいると思います。しかも、ダメ系男子のイメージリーダだなんて。だメンズ・メーカーとしては光栄の至り……って、いやそれ、なんか違う?

あの歌って、ハッピーエンドではないけど、バッドエンドでもない、って感じですよね。恋人を見送るというのがスタンダードな解釈ですけど、娘を見送るみたいな解釈をする人もいて。いずれにせよ、旅立つ女性の背中を押すわけでもなく、ただ「きれいになった」という言葉で見送る。そこに、男性の心理が透けて見えたり、想像できたりという幅が生まれているんだろうなと思います。見事な歌詞ですよね、ほんと。

恋愛関係の二人があれこれ、というお話も面白いですけど、片思いとか淡い恋心がはかなく……ってお話は、個人的には膨らませやすいし、書きやすいんですよね。
ロマンチストかぁ。まあ、そろそろ人生の秋を迎える年齢ですからねぇ、一周回ってロマンチストに戻るって感じですかねぇ(遠い目w)

ええ、『なごり雪』は伊勢正三さんの造語なんだそうです。もともとは俳句の季語「名残の雪」なのですが、どうあっても「の」は入れたくないと、こだわったとかなんとか。たしかに、歌詞としてみれば、語呂はいいですよね。でも当時は、日本語が乱れるとか、さんざんに言われたらしいですよ。今じゃ、完全に逆転してますよね。歌の影響というと、「秋桜」を「コスモス」と読ませるのも、そうですよね。
たくさんの歌が世に出ますが、年十年も歌い継がれたり、大きな影響を与えたりする曲って、数えるほどですからね。やはりあれは名曲なんですね。

『惜春の天花』というタイトル、ちょっとあてつけがましかったかなぁと反省してたんですけど(だってね『名残の雪』の言い方を変えただけだしw)、気に入っていただけて良かったです。

すっごくお忙しい&いろいろと大変な時期なのに、コメントいただいてありがとうございました。あまりご無理をなさいませんよう、ご自愛くださいね。

2020/04/01 (Wed) 14:23

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