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ひぐらしのなく頃に

 ブログのお友達の八少女夕さんがご自身のブログで、PCゲーム・TVアニメ「ひぐらしのなく頃に」の主題歌&BGMを弦楽四重奏とピアノで演奏した作品「ひぐらしのなく頃に 奏」を紹介されていた。

 八少女夕さんの記事は、こちら→ 「ひぐらしのなく頃に 奏」

 早速試聴してみたら、クラシック風にアレンジされてはいたが、一気にあのゲームやアニメの世界に引き戻された。
 そこで今回は、以前に当ブログに掲載した「ひぐらしのなく頃に」関連の記事を二つ、再掲載しようと思う。
 一つめは、そのものずばりのゲーム紹介記事である。


『ひぐらしのく頃に』

 山深い寒村である、雛見沢村。
 古い因習や閉鎖的な村社会が色濃く残るこの村に、ある事情で都会からひとりの少年が引っ越してきた。
 彼は、年齢の近い少女たち4人と仲良くなる。
 賑やかだが、穏やかに過ぎていく山村での暮らし。
 しかし、一件平和そうなこの村には、恐るべき事実が隠されていた。

 雛見沢村連続失踪怪死事件。
 それは、毎年の夏祭り「綿流し」の夜に起きる、一人が死に、一人が行方不明になるという事件だ。
 警察の必死の捜査にも関わらず、すべての事件は未解決のままで、いつの頃からか、人々は村の鎮守神「オヤシロサマ」の祟りだと信じるようになっていた。
 そして、今年もまた、その犠牲者が出る。
 その日を境にして、穏やかだった日常は、恐怖と狂気によって塗りつぶされていく。仲良しだった少女たちの仮面の下に潜んでいたモノがさらけ出され、惨劇の幕が上がる。
 狂っているのは、自分なのか、それとも世界なのか。

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「ひぐらしのく頃に」は、同人サークルである07 th Expansionが2002年夏に発表したサウンドノベルだ。
 発表当時はそれほど話題にならなかったが、時を追うごとにネットなどで評判を呼び、アニメやコミックスや小説などのメディアミックスをはじめ、ついには実写映画が作られるまでにヒットした作品である。

 ゲームシステムは単純で、結末に影響を与えるような選択肢は一切なく、グラフィックとBGMを楽しみながらテキストを読んでいくだけだ。
 プレイヤーは、主観的な本文と客観的な資料(Tips)をもとにして、この作品に隠された真実を推理していくことになる。

 シナリオは秀逸で、無数の伏線や謎が散りばめられ、一読しただけでは謎解きどころか、どこに伏線や謎が存在するのかもわからないほどに難解だ。
 設定もよく練られていて、全編を読み終えたときには、最初に受けたイメージとは遥かにかけ離れたその全貌に圧倒された。
 ただし、気の弱い人やバイオレンスに抵抗のある人にはお勧めしない。同人作品だけあって、その表現は過激であり、コンシュマー作品のぬるい表現に慣れている人には、刺激が強すぎるからだ。軽い気持ちで始めると、読み終えたあとで心にトラウマを負うことになるかもしれないので、くれぐれも自己責任で。

 全部で11編あるシナリオは、最初の4編が出題編、次の4編が解答編、残りの3編は後日談である。

 出題編の冒頭は恋愛アドベンチャー的な演出がなされており、平和で穏やかな山村での日常が面白おかしく描かれる。
 それが一瞬にして、恐怖と狂気の世界に変わる演出はじつに見事だ。その恐怖感はすさまじく、夜に読んでいると家中の電灯を点けたくなるほどだった。
 そして、これでもかというほどに繰り広げられる惨劇の数々は、読んでいて胸が潰れるものばかりだ。

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「解」と名づけられた解答編では、出題編の4編と対をなす形で、謎への解答とともに作品の世界観や設定がオープンにされる。
 解答編の3編目まで読みきると、この作品をミステリーの謎解きとしてプレイしていた人は、ご都合主義だと感じさせられる作品の構造も含めた、シナリオライターの意図そのものを推理の対象とするべきであったと気付かされることになるだろう。
 かく言う私が推理した答案も、残念ながらその点まで考えが及ばず、正解までもう一歩というところだった。
 解答編の4編目では、それまでのカタルシスを一気に解消し、予定調和的なグランドフィナーレを迎える。

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「礼」と名づけられた後日談の3編はオマケの要素が強いが、ある意味、作品を完結させるには必要なシナリオである。

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 グラフィックは写真を加工した背景に、キャラのCGを合成する手法だ。
 いささか安っぽい印象がしたが、現実の風景を使ったことで妙なリアリティがあり、いわゆる「聖地巡礼」という楽しみ方もできるようになっている。
 キャラの造形は独特で、最初は受け入れ難い印象があるが、意外にもすぐに慣れる。

 音楽は、出題編はフリー素材を使用しているらしいが、シナリオによく合わせてあると感じる。
 人気が出た解答編からはオリジナルのBGMになり、なかには歌詞がつけられて歌曲となったものもある。
 いずれも、作品の雰囲気を盛り上げるのに貢献しているが、Key作品のように音楽だけで泣かせるほどのものではない。

 私のお気に入りのキャラは、園崎詩音(魅音)。
 双子姉妹の愛憎を軸に、ミステリーとホラーサスペンスの味付けで、救いのない悲劇を描いた「綿流し編」と「目明し編」は、シリーズの中でもシナリオの求心力と完成度の高さが光る、屈指の出来栄えだったと思う。
「ひぐらしのなく頃に」の深淵に嵌まりたくない人は、この2編だけを読んで、その恐怖と狂気の世界の一端にふれるだけでも十分に楽しめるだろう。
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コメント
1254:おわっ by 八少女 夕 on 2016/12/15 at 07:48:39 (コメント編集)

こんばんは。

なんとなんと。
こんなに短い間に詳細な解説をありがとうございます。
そういうゲーム(ノベル)だったんですね。
怖すぎる!

この寒村のモデルがあって、そこの巡礼もなさったということなのでしょうか。
そんな怖いところをめぐったら、夜眠れなくなっちゃいそうです。

すでに一度解説してくださってあったという記事をあらためてご紹介いただくお手間をとらせてしまいました。申しわけありません。

でも、もうひとつ更にご紹介いただけるのでしょうか?
そちらも興味深く、楽しみにさせていただきますね。

そっか……こんなに怖いお話の音楽だったんだ。

1255: by 山西 サキ on 2016/12/15 at 21:55:05 (コメント編集)

ああ、これはサキにはちょっと無理かも・・・。
面白そうなのですが、立ち直れそうに無いですね。バイオレンスにも抵抗がありますし。多分気も弱いと思います。
仲良しだった少女達の仮面の下、というフレーズに興味津々ですが、やっぱりよしておいた方が良さそうです。
TOM-Fさん、勧めるのがとても上手なのでうっかり始めてしまいそうで恐いです。

1256:>八少女夕さん ありがとうございます by TOM-F@管理人 on 2016/12/16 at 23:11:44 (コメント編集)

>八少女夕さん

コメント、ありがとうございました。

八少女夕さんの記事にのっかって、過去の記事をアップしてしまいました。
ブログの更新をサボりまくってましたので、そろそろ広告が出る頃だったはずで、記事の使いまわしの言い訳ができてありがたかったです(他力本願モード)

ゲーム(ノベル)はヤバイくらいに危険なシロモノでして、ホントおすすめはできませんが、音楽はさまざまにアレンジできるだけのクオリティがあったということだと思います。
耳に馴染んだ曲も、ああやって演奏が変わるだけで、すごく新鮮でした。

図に乗って、もうひとつ記事をアップするつもりです。
お察しのとおり、聖地巡礼をしたときの記事です。プレイヤーや巡礼者の間ではよく知られていますが、モデル(あくまでも背景写真のですが)になったのは、とても有名な山村です。ちょっと意外だと思いますので、お楽しみに。

1257:>山西サキさん ありがとうございます by TOM-F@管理人 on 2016/12/16 at 23:13:12 (コメント編集)

>山西サキさん

コメント、ありがとうございます。

あれね、ほんとヤバイくらいのレベルですので、繊細な方や心臓の弱い方は、絶対にプレイしてはいけませんね。冗談ではなく、私もまだプチ・トラウマを引きずっています。マジでおすすめできないです。
とはいえ、物書きの端くれとしては、良くも悪くもあのくらいインパクトのあるお話を書いてみたいものです。
あ、アニメ版は超マイルドになっていますので、ストーリーに興味がおありでしたら、そちらの方ならいいかもしれません。

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