RSS

小説『花心一会』 第十五会「その、花を送る夜に」

九月になって、「なろう」恒例のイベント、『夏のホラー2016』も終わりました。
今年は初めてのホラー参加ということで、例年の読専から脱却できたのが最大の収穫でした。
じつはあのお話、夜道を歩いていてふっと百合の香りが漂ってきたことがきっかけで、思いついたものでした。なので元々はスイート系ホラーになるはずが、書いていくうちにどんどん暴走して、あんなことになってしまいました(笑)

そして、今回のお話。
そのリベンジというわけではないのですが、あのホラーの原型ともいうべき作品です。
彩花里には、不思議ちゃん属性があるのですが、それが如何なく発揮されています。舞台といい状況といい、大丈夫かよと言いたくなりますが。はい、連れて帰ってきてしまう恐れもありますので、良い子はけして真似をしないように。

今回のお花は、カサブランカです。
「百合の女王」と呼ばれ、濃厚な香りと、優雅かつ豪華な花が特長ですね。
交配を重ね品種改良してオランダで作られたものですが、オリジナルの百合は日本が原産のヤマユリなのだそうです。
百合の鱗茎は、食用になることでも知られています。茶碗蒸しによく入っている、ほくほくした「ユリネ」が、それです。美味しいですよね。
また品種によっては、球根が薬用になるものもあって、滋養強壮、利尿、鎮咳などの効果があるのだそうです。
百合の花は、東洋では「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」などと、美女の代名詞になったりしています。西洋では、白い百合は純潔を表し、聖母マリアの象徴として描かれることが多いそうです。どっちも美女がらみ、ですね。
花言葉は、「雄大な愛」「威厳」「高貴」。
うん、いかにもそんな感じですね。

以上、どうでもいいお話でした。

 『花心一会』

 ひとりの客のために、一度きりの花を活ける、「花一会」。その免許皆伝を持つ華道花心流の若き家元と、その客人たちとの交流を描くスイート系ヒーリングノベル。

    KSIE-IMG00.jpg
     【素材画像】syuni ( Illust AC )

 蝉の声が止み、西陽が空を紅に染めた。
 見上げると、夕空を横切るように、朱色の裏後光が差していた。
 淡い光の道は、彼岸と此岸を橋渡しするようにひととき空にかかり、やがて微かな光芒を残して消えた。
 八月十六日の日が暮れ、盂蘭盆の送り火の夜になった。


 第十五会 「その、花を送る夜に」

 ※タイトルをクリックして本文へお進みください。
  新しいウィンドウ(タブ)で『小説家になろう』サイトへジャンプします。

  月刊・Stella(ステルラ)8-9月合併号参加 小説・短編  stella white12

  webアンソロジー季刊誌「carat!」参加作品 carat!バナー
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
1221:こんばんは。 by 山西 サキ on 2016/09/08 at 19:28:17 (コメント編集)

あ、こんなところに裏後光が使われている。神秘的な雰囲気で何か不思議な物語が始まりそうな雰囲気。導入にピッタリですね。
いつものように彩花里の姿も素敵に描写されていましたが、香りと共に現れたカサブランカもとっても怪しくて素敵な演出でした。花の選択も見事だなぁ。
あ、ユリネも美味しいですしね(茶わん蒸しに入ってるやつ、好物です)。
彩花里がであった不思議な女性。普通ならホラーになってしまいそうな展開なんですが、そんな雰囲気はほとんど感じさせません。
いつもの「花一会」に招待された客人のようです。
でも「かすかに浮かび上がった赤い筋」は頸動脈の血管を連想させ。「鋏を入れた」にはちょっとひやりとした物を感じさせられました。
彩花里はやっぱりとても強い人ですね。
米、成仏できて、そして姫様のところへ行けてよかったです。


あ、青山霊園から銀河が見えるのかな?などという野暮は申しません。

1222: by 八少女 夕 on 2016/09/09 at 05:31:44 (コメント編集)

こんばんは。

いつものこととはいえ、8月の東京で和装。地獄だなあなんて思っている人は、スイート系ノベルのヒロインにはなれないんでしょうね。

そして、サキさんと同じことを思いました。裏後光が早速使われている!

いつも思うんですけれど、TOM-Fさんが彩花里の花一会に選ばれるお花は、ちょっと一ひねりしてあって唸ってしまいます。
ユリの中でもカサブランカは、洋花のイメージが強くて、この花に彩花里だけでなく『牡丹灯籠』をあわせてしまう妙がさすがです。

しかも、先日のホラーの怖さが残っているので「きゃー、その香り吸っちゃダメ、彩花里、逃げて!」って一瞬思ってしまいました。

でも、あちらと同じTOM-Fさんが書いたのに、こちらの方はずっと静かでしかも和の色が濃い、まさに「花心一会」の文章になっていますね。ううむ、すごい。

青山墓地には曾祖父の墓があるので、たまにいくのですが、今度行ったら花のないカサブランカがないか、確かめてしまいそうです。

1223:Re: こんばんは。 by TOM-F@管理人 on 2016/09/10 at 17:40:59 (コメント編集)

≫山西サキさん

コメント、ありがとうございます。
裏後光、速攻で使いましたよ。というか、あの記事は、このお話への「掴み」みたいなものだし(笑)
彩花里、お盆モードですが、素敵でしたか? よかった。
カサブランカは、ホラーとの使いまわしなんですけど、暗闇にふっと香る芳香を書きたかったので、また登場してもらいました。
ユリネ、ほくほくして、美味しいですよね。私も、あの食感が好きです。

彩花里が出会ったのは、正真正銘の幽霊さんですから、どストライクのホラーなんですけど、そっちに傾かないように書いてみました。いつもの「花一会」というお言葉、嬉しいです。と言いつつ、彩花里は「見える」系の人なので、見えちゃうんですよね。ここを切ると命が……って、ホラーやん、それ(爆)
それに、怖いもの知らずというか、目の前のものをなんでもありのままに受け入れちゃうというか、いやほんと強い子です。
米は、やっとこさ成仏できました。彩花里、家元やめたら、仏門に入るかも(笑)

え、青山霊園から、天の川って見えませんか? おっかしいなぁ……って嘘モロバレですね。ま、小説ですから(笑)

1224:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2016/09/10 at 17:45:30 (コメント編集)

≫八少女夕さん

コメント、ありがとうございます。
そうそう、八月に和装なんて、物好きでないと無理ですよね。最低限でも、三枚は着るわけですからね。暑っ!
で、その苦行に耐えられる子だけが、ウチのヒロインになれるという……彩花里、じつはちょ~体育系です(笑)

裏後光は、さくっと使いました。思いついたら、すぐ使う。でないと、忘れちゃいますので。

今回は、カサブランカありき、のお話でした。もともとは、夜道を歩いていてふっと百合の香りが漂ってきたことがきっかけでしたので。話の内容と花のギャップがあるかな、とは思いましたが、そこを妙と言っていただけてほっとしています。

青山界隈でカサブランカの香りを嗅ぐと、もれなく記憶障害・幻覚・幻聴及び●●がセットになっていますからね。もっとも、彩花里の場合は、もともと不思議ちゃんなので(イミフ)

おお。青山墓地にご先祖さまが……やばっ、いろいろ嘘ついて(創作して)いるの、ばれちゃいそうですね。実況見分は、お手柔らかに(笑)

1225:まだホラーの余韻が by 大海彩洋 on 2016/09/12 at 07:00:49 (コメント編集)

カサブランカ重なりで彩花里の身に何か不穏なことが…と心配しましたが、普通に幽霊だったか、と安心しました。あ、それも変だな。幽霊なのに安心する、ってのは……
洋物の印象はあるけれど、確かにもともとヤマユリですものね。うちの庭にも一体どこから飛んできたか、やたらめったらヤマユリが湧いて出ます。こちらの幽霊もどちらかと言えば、やや細面のヤマユリの印象かな。でも匂いとなると、やっぱりカサブランカですね。確かに、あの匂いで闇の中にそれと知れる。ちょっときつすぎるけれど。
あぁ、でもついに、彩花里は幽霊相手にも活けるようになったんだなぁ、まさに引導を渡す、じゃなくて、除霊? いや、浄霊か。こっちでも商売できそう(いかん、大阪の人間、ついつい商売へ走ってしまう)。花であなたの魂を成仏へ導きます。亜、それはうちの話(ウゾ君)だった(^_^;)

8月の着物。でもお茶の先生いわく、結構す~す~して涼しいとか。襟の抜き方とか、足下によっては工夫ができるのかも知れませんが、あんまりやると色っぽいね~ちゃんになってしまう。そんな彩花里はちょっとな~。TOM-Fさんの逆鱗に触れちゃいそう。
当の彩花里は相手が人間だろうが幽霊だろうが、あんまり構っていないふうで、彼女らしいと思いました。
不思議ちゃんかぁ~

1226:Re: まだホラーの余韻が by TOM-F@管理人 on 2016/09/14 at 14:35:40 (コメント編集)

≫大海彩洋さん

コメント、ありがとうございます。返信が遅くなり、すみません。

ホラーの方がアレでしたからねえ(笑) ご心配をおかけしましたが、幽霊に出会ったくらいでは、彩花里はなんともありませんので、ご安心ください。
カサブランカって、どこからどう見ても洋花なのに、ルーツはヤマユリなんですよね。お庭にヤマユリが生えてくるなんて、なんかいいですね。
幽霊=白、白い花=カサブランカ、そんな単純な発想です(笑)
でもユリの花は、夜にあの香りが漂っていたり、姿を見たりすると、なにかただならぬものを感じるんですよね。いろんな意味で。

真夏の着物は、生地が薄かろうと透けていようと、やはり暑そうですよね。肌着を入れたら、三枚ですからね。彩花里も、襟を抜いたりしていると思いますが、あまり色気のある子じゃないので悩殺とかは不可能でしょうね(爆)
彩花里はどうも不思議現象を引き寄せる、というか、引き寄せられる属性があるみたいです。これからも、年に一話くらいは、こういうのを書きたいと思っています。
あ、そっか、御作のウゾ君とちょっとネタがかぶるんですね。もっとも、彩花里には、幽霊相手に積極的になにかできるというようなスキルは皆無ですけど。

1227: by canaria on 2016/09/15 at 15:13:32

こんにちは。
素敵な作品でのご参加、誠にありがとうございます!

今回はこの世ならざる者のために花を活いけられたのですね。
この世ならざるものなんだけれど、彩花里さんの雰囲気のせいか
「幽霊! ホラー!」って感じじゃなくて、なんともいえず独特の
しっとりとした感じに仕上がっていると思いました。
花を活ける描写は拝読しているだけでこちらも背筋がピンと
伸びるようで、まるで所作の一つ一つが手向けであり供養に
なっているようです。

日本的な描写ですが、自分がまったく書けないだけに
本当にすごいなあ……と溜息ばかり漏れていました。
どこがどう、といえないのですが、なんともうしましょうか、
文章の隙間から花の匂いや空気感が伝わってくるような。
読んでいる間、こちらも半分あちらの世界に持っていかれるような
幽玄な雰囲気を味わわさせていただきました^^

1228:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2016/09/18 at 15:13:31 (コメント編集)

≫canariaさん

コメント、ありがとうございます。お返事が遅くなってしまい、すみません。

Caratは一回とばしてしまいましたが、今回はなんとか参加できました。ううっ、寡作の弊害が……。

もともと「花心一会」自体が、小説というよりも歳時記に近いようなものですので、このお話もホラーや怪談というより、お盆をモチーフにすることを第一に考えました。なので彩花里のやったことが、手向けや供養と感じていただけたのは嬉しいです。
それと、ストーリー性よりも雰囲気を重視しているので、花の匂いや空気感が伝わっていたのなら良かったと思います。
次回もがんばって参加させていただきたいと思いますので、こんな作品ですがよろしくお願いします。

1229: by LandM on 2016/09/24 at 21:48:29

carat!から読ませていただきました~~。
初めまして、場末で小説を書いているLandMです。

花心一会を読ませていただきました~~。とても幻想的な文章で自分では真似できないな~~と感じて、とても素敵な時間を過ごせる文章でした。ありがとうございます~~!!
また機会があれば読ませていただきますね。


1230:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2016/09/27 at 19:13:11 (コメント編集)

LandMさん

ようこそ、CourtCafeへ。
そして、コメント、ありがとうございました。お返事が遅くなり、申し訳ありません。

拙作『花心一会』を読んでくださって、お礼を申し上げます。
今回のお話は、おっしゃる通り幻想的な雰囲気を出したいと思って書きましたので、そのように感じてもらえて安心しました。どうも私の文章は雰囲気に流されるきらいがありますので、甘ったるい作品が多いのですが、よろしければまた読んでいただければ嬉しいです。

これからも、よろしくお願いします。

▼このエントリーにコメントを残す

   

ようこそ

オーナー

TOM-F

Author:TOM-F
 
 ようこそ、Court Cafe へ。

 自作小説をメインに、アニメや旅行記など趣味のお話を綴っています。
 楽しいひとときを、おすごしください。

作品

FEOバナー

花心一会バナー

あの星バナー

妹背の桜バナー

記事

コメント

ブロとも

ブロとも申請

リンク

外部リンク