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夢の超特急「さくらLSX」試乗記

 知り合いのblogに、新幹線の記事が載ったので、それに触発されて妄想が膨らんだ。
 もし、鹿児島中央発、新青森行きの九州・山陽・東海道・東北新幹線直通列車があったら……。その架空の試乗記である。

 平成xx年10月14日、午前8時。鹿児島中央駅から、新青森行きの新幹線季節列車「さくらLSX590-591号」に乗り込む。LSXとは、直通運転開始をきっかけに導入された新幹線豪華列車のことである。
「さくらLSX」の車両はJR西日本の500系8両編成で、外観は白地にピンクのラインが入った専用色塗装が施されている。全車「プリマクラッセ」と呼ばれるプレミアムシートで、特別席料金(全区間乗車の場合は10,000円)がかかるが、茶菓がサービスされ、アルコールを除く飲み物は無料である。
 一人用、二人用、四人用のコンパートメントもあるが、今日は普通席に座る。普通席といっても、ゆったりとした3列のバケットシートである。専用の液晶モニターで、TVニュースや各種動画コンテンツが楽しめる。
 鹿児島中央駅を定刻に出発した「さくらLSX」は、みるみるうちに速度を上げていく。かつて過剰性能だと揶揄された500系車両は、その性能を遺憾なく発揮して急勾配区間でも速度を落とすことなく走り抜ける。
 パーサーがサーブしてくれた、ウエルカムドリンクの日本茶とさくら餅を楽しむうちに、9時20分、博多に到着する。
博多を出発すると、次の停車駅新大阪までは、時速285kmで快走する。トンネルの多い山陽新幹線区間の暇つぶしには、ノートPCを広げてネットサーフィンを楽しむ。各席にはAC電源が設置され、IEEE802.11n準拠の無線LANは動画の視聴も可能になっている。無論、BLOGの更新くらいならば快適だ。
 新大阪には、11時33分に到着する。ここでJR西日本の乗務員から、JR東海の乗務員に交代。臨時の、しかも1日1往復だけの珍しい豪華列車とあって、ホームで待機しているビジネスマンたちの視線もまぶしい。
 京都を通過して車窓に琵琶湖が見えた頃に、予約しておいた「さくら懐石弁当」が席に届いた。二段の重箱に詰められた京風懐石料理に舌鼓を打ちながら車窓を眺めるうちに、12時20分、名古屋に到着する。
 名古屋から先は、新幹線の車窓風景も退屈しない区間が続く。浜名湖をかすめ、大井川を渡り、富士山を眺めながら「さくらLSX」は時速270kmで快走し、14時00分に東京駅14番ホームに到着する。
 ここで、乗務員がJR東日本に交代し、列車番号も下り列車であることを表す奇数の591に変わる。14時05分に東京駅のホームを離れた「さくらLSX」は、新設された渡り線を通って東北新幹線に乗り入れる。
 ゆっくりとした速度で、上野から大宮間を走る「さくらLSX」。そろそろ飽きた……もとい、疲れてきたが、500系「さくらLSX」の本領はこの先で発揮される。大宮を通過した「さくらLSX」は、待っていましたとばかりに速度を上げて時速300kmに到達。一気に、仙台を目指す。
 パーサーが、紅茶とスコーンのアフタヌーンティーセットをサーブしてくれたので、車窓を眺めながらのティータイムを楽しむうちに、15時40分、仙台に到着する。
 のんびりとした車窓風景が続くので、眠気醒ましにサロンカーに出向く。コーヒーをオーダーし、ソファに身を沈めて雑誌に目を通すうち、「さくらLSX」は盛岡に到着する。時刻は16時35分、秋の短い日が暮れかかってきた。
 盛岡を出発し、いよいよラストの区間に入る。雄大な岩手山や八甲田山塊を眺め、夕日を浴びながらひた走る「さくらLSX」は、17時20分、夕闇に浮かび上がるような威容を見せる新青森駅に到着する。
乗車時間9時間20分の、長い旅の終わりだ。

 さて、いかがだろうか?
 現在のダイヤで同じように旅行すると、乗り換え時間を含めて11時間ちょっとかかる。直通運転にすることで、1時間40分ほど短縮できるわけだ。料金は、乗車券が21,320円、新幹線特急料金が特別料金込みで30,190円の合計51,510円也だ。直通運転をすれば、特急料金はもっと安くなるから、合計で5万円弱くらいだろうか。
 ちなみに、同区間を空路で行った場合は、羽田での乗り継ぎ時間と、空港までのバスも含めて所要約8時間だ。料金は、航空機が正規運賃の場合、48,000円ほどになる。これなら、案外いい勝負ができるのではないかと思う。
 ただし、実現するには、大きな壁が立ちはだかっている。それは、東京駅の線路改修工事が必要なことだ。今まで知らなかったが、なんと東海道新幹線と東北新幹線の線路は、物理的に繋がっていないのだそうだ。もともとは繋げる計画だったので、東京駅の東北新幹線の西寄りとか東海道新幹線の14番線東側には、接続用の空きスペースは確保されている。せっかくなら東北新幹線の東京駅乗り入れの際に、1線でもいいから繋げておけば良かったのに、と思うのは私だけだろうか。
 とまれ、こんな列車が運行されたら、「乗り鉄」の私としては、話しのタネに一度は乗っておきたいと思うのだ。
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コメント
11:直通すればいいのにね by ひゅひゅ on 2011/09/14 at 22:09:59 (コメント編集)

どうも、ここ最近ないほど旅行づいた1ヶ月でした。
たしかに、東海道新幹線と東北新幹線は直通するのが自然に思えるわけですが、なにやら事情があってやりたくないのでしょうね。
東北と東海道で周波数が違いますが、これは大きな障害ではなく、現に長野新幹線では途中で周波数を切り替えて走っていますからね。
乗り継ぎ時間も含めると飛行機といい勝負かもしれませんが、おそらく同じ座席に9時間座るという行為が一般の旅行客には辛いかもしれないですね。飛行機のように映画などの娯楽コンテンツを準備するとか、長距離バスのように夜間運転を実施するとか、何かのアイデアが必要だと思います。でも、本当は強烈な競争関係がないとサービスの革新は生まれないので、日本海新幹線を作ってそっちで大阪-新青森を走らせないと東海道東北直通は実現しないかも。

12:Re: 直通すればいいのにね by TOM-F@管理人 on 2011/09/16 at 00:22:11

コメントありがとうございます。

直通運転を阻む最大の壁は、線路がつながっていないことですが、他にも両数の問題(JR東海は16両編成しか走らせないそうです)、ダイヤの乱れなどの影響が広がるなどの問題がある模様です。
鉄道は、航空機や船舶よりも天候の影響を受けにくい交通機関なので、新幹線を全線つなげておく事には意味があると思うのですがねぇ。

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