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『花心一会』 第五会 その、花の咲いた朝に

 『花心一会』

 ひとりの客のために、一度きりの花を活ける、「花一会」。その奥義を持つ華道・花心流の若き家元と、その客人たちとの交流を描くスイート系ヒーリングノベル。

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     【素材画像】syuni ( Illust AC )

 第五会「その、花の咲いた朝に」

 彩花里が祖母から貰った朝顔の種は、育成の難しい珍種だった。悪戦苦闘する彩花里の前に、一人の老紳士が現れる。毎朝のように朝顔を見に来る老紳士は、彩花里に育成の助言を与えてくれた。
 朝顔が取り持った、不思議な縁の行方は……。

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今回も苦労しました。
マジでネタ切れだなぁ。桜のイラストにインスパイアされて書いた短編で、連載するつもりはなかったので、設定とかスジとかなにも考えてないんですよね。毎回、出たとこ勝負の歳時記小説、どこまで書けるのか自分でもわかりません。はあ、なんという無責任な作者……。

で、今回は、アサガオです。
ちょうど時期ですしね。
今頃に咲くアサガオは一年草で、秋口から咲き始めるアサガオ(西洋アサガオ)は多年草なのだそうです。
アサガオといえば、小学生でも育てられる安易な植物というイメージがありますが、じつはけっこう奥の深い植物でもあります。

アサガオの種は「牽牛子」と呼ばれる生薬で、主に下剤として使われたそうです。その薬効は優れていて、牛一頭と交換されたことから、その名がついたと言われています。

園芸植物としてのアサガオは、江戸時代に栽培の大流行があったそうです。すでにかけ合わせによる品種改良が行われており、多種多様なアサガオ(変化アサガオ)が生み出されました。その中には、黄色と黒色の珍種のアサガオが存在したようですが、今では双方とも幻の花になっています。変化したアサガオは種が取れないことが多く、元の種からまた選び出して育てるしかないため、系統の維持が難しいのだそうです。

文化的には、有名な俳句『朝顔に つるべ取られて もらひ水(加賀千代女)』があったり、茶道の千利休と豊臣秀吉の故事「朝顔の茶会」もよく知られています。

ちなみに、花言葉は「明日もさわやかに」「はかない恋」です。朝に鮮やかに咲き、午後には萎んでしまうことから、そういう言葉が送られたのでしょう。また、蔓性の性質からは「貴方に私は絡みつく」という花言葉もあるそうです。ちょっと微妙ですね。

以上、今回のどうでもいいお話でした。
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コメント
650:悲しいけれど by 八少女 夕 on 2014/08/08 at 00:25:00 (コメント編集)

こんばんは。

種を植えて普通に世話をするだけでは咲かせられない幻の花。花の名人である彩花里にも難しかったその花が咲いたのは、やはりこの花に縁のあるそのご老人の強い願いがあったからなのでしょうね。ご老人、この花にどんな想い出があったのだろう。もしかして彩花里のお祖母さまと何かがあったのかしら?

「朝顔の姫」にむっとする彩花里はちょっとかわいいです。

毎回、出たとこ勝負とは思えない完成度ですよ。花とハートフルな人助けと、生み出すのは確かに大変そうですが、博識なTOM-Fさんらしい素晴らしい連作に仕上がっていると思います。来月も楽しみだわ〜。

651:Re: 悲しいけれど by TOM-F@管理人 on 2014/08/08 at 19:13:46 (コメント編集)

> 八少女夕さん

まあ朝顔ですから小学生でも育てられると思うんですけど、それではお話になりませんので攻略レベルを上げてみました。
彩花里だけだったら、今年も花を咲かせられなかったと思います。老紳士は、葉っぱを見ただけで朝顔の正体を看破するほど「詳しい」人物です。彩花里のおばあちゃんとは……いちおう考えてありますが、ここはいろいろ想像してお楽しみくださればと思います。

未婚で年ごろの女性に、「朝顔の姫」はいただけませんよね。ロマンチスト気取りなんでしょうけど、源氏物語を知っていたら怒られますよね。

お褒めの言葉、すごく嬉しいです。
はい、来月も頑張ります……つか、なんて単純なヤツ(笑)

コメント、ありがとうございました。

652:あさがおって by 大海彩洋 on 2014/08/09 at 08:56:15 (コメント編集)

小学生のとき、観察日記とかいう夏休みの宿題があったじゃないですか。自分の朝顔が枯れちゃったり、咲かない子がいて、落ち込んじゃったりして。
時代小説なんかを読むと、朝顔市の場面とかが出てきて、すごく憧れたりもしていましたが、品種改良では難しい種もあるのでしょうね。水、本当に、適度な量が難しい。
彩花里の優しさと、そしてちょっと気難しい朝顔、頑固そうな老人の最期の時間がマッチして、本当に暖かい物語でした。

そんな種から育てる和もの朝顔には風情はあるけれど、我が家の宿根朝顔の凄まじさ(12月まで咲くのはやめてほしい)を見ると、やっぱり和ものと洋ものは、人種も花種もDNAから「逞しさ」が違うんだなぁと思ったりして。
この朝顔の物語は、和もの独特のの詫び寂びがありますね。TOM-Fさんらしい、シンプルな中にギュッとエッセンスが詰め込まれた素敵なお話でした。
(と感動しながら、今日も台風の中、たくましく蔓延る我が家の朝顔を眺めて「違い」を感じるのであった……)

653: by 山西 サキ on 2014/08/10 at 14:02:49 (コメント編集)

老紳士の気持ちを想像することは、サキにとって難しいように思いました。
先に訊いてもいいかもしれませんが、何だか現実的なことを言われて幻滅しそうな気がするので、止めておいた方がいいように思いましたし。
でも作品を読んでサキなりに想像はしています。
「朝顔の姫」について調べてしまいましたよ。サキはこういう方面の知識、すごく少ないですから。
それで、老紳士が朝顔への興味だけでここへ通ったのではない、と言うことはわかりました。自分の最後が近いことも悟っていたんだろうな、と思いました。
彼の心の中ではすでに開花していたのかのしれませんね。
多分ですけれど……。
老紳士がどんな人で、どんな人生を送ってきたのか、自然に興味を持ってしまいます……素敵なお話しでした。

654:Re: あさがおって by TOM-F@管理人 on 2014/08/11 at 21:56:15 (コメント編集)

> 大海彩洋さん

コメント返信が遅くなって、すみません。

朝顔の栽培といえば、真っ先に思いつくのが小学生の観察日記ですよね。たぶん私もやったんだろうと思うのですが、憶えてないんですよ。う~ん。
で、栽培に関していろいろ調べたら、花をうまく咲かせるのって意外と難しいことがわかりまして。
今回は、花火と朝顔市に出かけるみたいな軽いノリを目指していたんですけど、どこでどう間違えたかこんなお話になってしまいました。
優しい物語と言っていただけて、嬉しいです。

あ、宿根朝顔って秋から冬まで咲く西洋朝顔ですよね。あれ、たしかに逞しいですよね。夏の花のイメージがあるのに、冬に咲いているとなんじゃこりゃって感じはしますよね。長く目を楽しませてくれるのはありがたいですけど。

台風、大変でしたね。わが家は被害とかはなかったんですけど、車に木の葉や枝がどっさりと積もって、出かけるのに苦労しました(笑)

コメント、ありがとうございました。

655:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2014/08/11 at 22:07:28 (コメント編集)

> 山西サキさん

コメント返信が遅くなって、すみません。

老紳士の心境については、あえて記述を省略して、読者様の想像の余地を多めに残しました。主人公のいない物語なので、そういう表現が多くなってしまっています。とくに正解があるわけでもありませんので、ご自由に楽しんでいただければ嬉しいです。
ただ、老紳士が朝顔への興味だけで通っていたわけではないというのは、その通りです。恋愛のかたちは、いろいろありますからね。彼は、幻の朝顔と、その世話をする女性に、なにかしらの思いがあったのでしょう。

「朝顔の姫」は、源氏物語に出てくる姫君のひとりです。最後まで源氏の求愛になびかず、凛とした美しさを放つ女性ですね。まあ、独身でお年頃の現代女性である彩花里をそう呼んだら、さすがにむっとされちゃいますけど。

これからも、いろいろと想像して楽しんでいただけるようなお話を書いていきたいと思っています。
またおつきあいくださいね。

コメント、ありがとうございました。

915: by けい on 2015/06/17 at 19:53:18

一つ一つのお花にまつわる出会いと別れのお話にはまっております~^^

ただの通りすがりではない模様の老紳士。
何かに引き寄せられて来られたのでしょう。
この季節とこの朝顔に関係がありそうですね。
朝顔をめぐる壮大なお話がありそうですが、いあ、詮索するのは野暮ってもんです。

歳時記小説、良いですね。
まだまだ家元の奥義を見せていただきます^^

917:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2015/06/19 at 00:24:54 (コメント編集)

≫けいさん

老紳士にとって、彩花里が育てていた朝顔は、もう見られないと諦めていた花でした。
その朝顔と老紳士に何があったのかは、ナイショということで。ちなみに、老紳士は熊本の出身という設定です。
まあ、朝顔の添え物にされた彩花里は、ちょっと可哀想でしたが、もともとああいう役回りの子なので(笑)たいした活躍はしませんが、あたたかく見守ってやってくださいね。

コメント、ありがとうございました。

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