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ドリパスで「花の詩女 ゴティックメード」を観た

 「ドリパス」というサイトがある。
 映画館と連携して、サイト登録者が希望する映画のチケットを販売していて、一定数以上の購入があれば、劇場での上映が行われるという仕組みのサイトだ。
 リバイバル上映に近いが、映画館や配給元の意図ではなく、観客側の希望によって再上映がなされるというのは、おもしろい仕組みだと思う。ただし、チケットに関しては、標準的な鑑賞券の価格である大人1,800円よりも割高になることが多いようで、よほど好きな作品でなければ購入に踏み切れないのも事実だ。

 さて、このドリパスでは、いろんな映画がリクエスト上映されているが、その中にTOM-Fがもう一度観たいと思っていた作品があった。

 「花の詩女(うため) ゴティックメード」だ。

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 ゴティックメードは、2012年11月に劇場公開された角川映画のアニメーション作品で、原作・監督・脚本・絵コンテ・レイアウト・原画・全デザインを永野護が一人で担当した。永野護は、私が孤高の漫画だと思っている「ファイブスター物語」の作者である。

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   ※「ファイブスター物語」表紙より、主人公のアマテラスとヒロインのラキシス

 その永野護が、製作発表から公開まで約6年を費やして、やりたい放題やらかして作り上げたのが、この作品というわけだ。
 作品のタイトルになっているゴティックメードは、人型の巨大戦闘ロボットの総称であり、そのパイロットである巨大帝国の皇子と、詩女と呼ばれる巫女の少女との、ボーイ・ミーツ・ガールの物語である。
 作画やアニメーションの技法は、奇を衒うことなく丁寧に作られていて、現在の日本のアニメーションのなかでもよくできている部類に入るだろう。ただ、背景に関しては、最近の精細なものに慣れてしまった目には、いささか寂しく映った。
 ストーリーとシナリオ、そして演出は、良くも悪くも「ファイブスター物語」ありき、というものだ。
 都に上る旅路を行く詩女ベリンと、彼女をテロから守るために派遣された大国の第三皇子トリハロンは、お互いの立場や価値観の違いから激しく対立する。しかし、少しずつふれあいを重ねていく中で、お互いへの誤解や偏見があったことに気づいていく。

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 そんな折に、実行に移されるテロ計画。トリハロンとそのゴティックメード「カイゼリン」の活躍によって辛くも阻止されるが、大きな陰謀の一角であることが判明し、後味の悪い結末になる。

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 目的地に到着したベリンとトリハロンは、この先、戦を避けて少しでも流血を少なくするために努力しようという約束を交わして別れた。そして、ベリンとトリハロンは、それぞれの人生を歩んで行くのだった。
 ストーリーラインは、綺麗なボーイ・ミーツ・ガールの様式をとっているが、その設定の背景にあるのは、やはり「ファイブスター物語」の世界観である。「ファイブスター物語」の熱狂的な信者(ファン)である私には至福の70分だが、そうでない人には敷居の高い楽しめない作品だろうと思う。
 しかも、この作品、公開からすでに一年以上が経っているのに、未だにDVDもブルーレイも発売されていない。その理由は二つ。ひとつは、現在のTVの最高画質であるFHD(横1920ピクセル、縦1080ピクセル)を上回る「4K」という解像度で製作されているため、一般家庭ではオリジナルの解像度で見る方法がないということ。もうひとつは、IHIジェットサービスの協力を得て録音されたカイゼリンのエンジン駆動音など、随所にこだわりを追求した音響が、やはり一般家庭では再生しきれないということによるらしい。
 いろんな意味で、よくこんな作品が商業ベースに乗って製作されたものだと感心するしかないが、おかげでこの作品を鑑賞したければ、ドリパスのような方法に頼らざるを得ないのだ。実際、知名度が低いにもかかわらず、この作品は計三回(東京二回、大阪一回)もドリパスで上映されている。私が観に行った大阪の回も、シネコンの中規模スクリーンがほぼ満席という盛況だった。
 映画作品として、とても万人に勧められるものではないが、興味を持たれた方のためにYouTubeのPVを貼り付けておく。



 ううん、何回観てもいいなぁ。カイゼリン、かっこ良すぎっす。もう一回、観たいなぁ。

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コメント
444:永野さん、知らん間にこんなものを創ってたんですね by miss.key on 2013/12/01 at 14:46:06 (コメント編集)

 こんにちは
 アニメとか全く見ないので知りませんでした。
 思えば昔々、エルガイムのガウ・ハ・レッシィ姉様に憧れて、永野キャラが好きになりました。で、連載の始まったFSSを読み始めたのですが、第2巻で長期休止、その後時は流れて連載再開するも、また休止。そして復活しては休止を繰り返し、もはやコイツ描く気ねーだろーと断定。成程、何時の間にか浮気してたんですね。
 でもねぇ、プロの創作家たるもの、発表したからには完結させるのが読者に対するエチケットだと思うんですよ。その意味で、永野さんは一流のデザイナーであっても半人前のクリエイターなんですな。いあ、好きな事は好きなんですがね。

445:Re: 永野さん、知らん間にこんなものを創ってたんですね by TOM-F@管理人 on 2013/12/02 at 17:58:21

> miss.key さま

 ようこそ、CourtCafeへ。
 そうなんですよ、あの人、連載を何年も休んでいると思ったら、こんなものを作ってました(笑)
 永野護でアニメといえば、エルガイムもそうですし、Zガンダムのキュベレイもそうですね。あのモビルスーツ、めっちゃカッコよかったなぁ。

> でもねぇ、プロの創作家たるもの、発表したからには完結させるのが読者に対するエチケットだと思うんですよ。

 FSSは完結させてほしいですけど、なんかもういまさらな感じもあって、未完でもいいかなと思っています。
 そういえば、連載を再開したFSSは、MH(モーターヘッド)がすべてGTM(ゴティックメード)という呼称に変わって、デザインも各機の名前も大幅に変わったらしいですよ。
 いやほんと、やりたい放題ですね。でも、そこがまた魅力的なんだなぁ(かなり狂信的な信者ですね)

 コメント、ありがとうございました。

446:わぁ! by 高橋月子 on 2013/12/04 at 13:37:42

TOM-Fさん、こんにちは^ ^
永野護さん!いつの間に?
まだ観れるんですか?
月子、FFS好きなんですよ☆
静、町、京好きだし。イラスト集のプラスティックスタイル、多分探せば出てくるかな。わー^ ^素敵な記事、ありがとうございました^ ^

447:Re: わぁ! by TOM-F@管理人 on 2013/12/04 at 19:17:17

> 高橋月子さん

 うわぁ、高橋月子さんもFSSお好きだったんですか。嬉しいです。
 この映画「ゴテッィクメード」は、残念ながらすでにロードショーにはかかっていません。なので、もし観られるとしたら、「ドリパス」でのリクエスト上映ということになると思います。

> 静、町、京好きだし。イラスト集のプラスティックスタイル、多分探せば出てくるかな。

 この三人がお好きで、イラスト集もお持ちとは、なかなかディープなファンですね(笑)
 ファティマはみんな魅力的ですけど、私はアウクソーとかパルスェットなんかが好きですね。あとはヒュートランとか(笑)
 いやぁ、この場でFSSを語れるとは思っていませんでした。

 コメント、ありがとうございました。

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