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道央名所めぐりの旅


 神戸空港から離陸したANA4827/AirDo127協同運行便のB737-500は、数分で高度33000フィートに達すると水平飛行に入った。神戸空港は雨模様だったが、雲の上を順調に飛行して、下北半島を見下ろしたと思ったら、うす雲が広がる新千歳空港に着いた。
 すでに午後0時30分。お腹が空いたので、新千歳空港のレストランでお昼ご飯にした。ターミナルビル三階のレストラン街にある「郷土料理ユック」で、いちばんおいしそうだった「しらかば定食」を注文した。出てきたのは、これ。

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鮭、いくら、かに、生うにのミニ丼に、刺身、天ぷら、茶碗蒸がついている。なかなか豪華だが、値段は手ごろだった。

 今回は同行者が五人もいるので、道内の移動にはレンタカーを用意した。
 新千歳空港に近いレンタカー店で借り出したのは、TOYOTAのノア。普段乗っているクルマより一回り大きいが、意外に運転はしやすかった。
 千歳ICから道央自動車道と札樽道を走って、最初の目的地、小樽までは一時間ほどで着いた。
 雲の切れ間から薄日も差していて、傘はいらないようだ。

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 小樽運河を眺めて、北一硝子のヴェネツィア館と本館を覗く。なにやら強烈なデジャビュを感じるが、まあ気のせいだろう。
 小樽を後にして、来た道を引き返し、千歳からさらに南下して今夜の宿泊地である登別温泉を目指す。
 ところどころで運転を代わってもらいながら、二時間半ほどで登別に到着した。高速を降りるとすぐに、でっかい赤鬼が出迎えてくれていた。
 一泊目の宿は、第一滝本館。登別温泉のいちばん奥に建っている巨大旅館だが、温泉のデパートと呼ばれる登別を代表する旅館だけあって、広さ千五百坪、七種類の温泉を満たした三十五の浴槽を持つ、温泉好きにはたまらない旅館だ。
 バイキングの夕食を平らげて、さっそくお風呂へ。さすがに自前のカメラでは撮影できないので、雰囲気は宿のホームページ(www.takimotokan.co.jp/)へどうぞ。
 ご覧のとおり、文字通りの大浴場で、硫黄泉の強烈な臭気に、気分が盛り上がる。一時間ほどかけて、たっぷりと堪能した。
 この日はちょうど、登別温泉の夏の恒例行事「地獄祭り」のメインイベント「鬼踊り大群舞」が開催されていた。いろんな仮装をした踊り子たちが、温泉街を所狭しと踊り歩くという趣向で、祭りの騒ぎは深夜まで続いていた。

 翌朝、早起きして朝風呂に浸かる。大きなガラス窓の向こうには、赤茶けた谷間のあちこちから湯気が上がる地獄谷が一望できた。
 朝食を済ませたあと、腹ごなしに泉源公園から地獄谷まで散歩をした。
 宿のすぐ隣の泉源公園には、間欠泉が湧き出していて、三時間毎に派手に噴き上がるらしい。

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 それを待っている時間はないので、地獄谷の入口まで歩いて荒涼とした風景を眺めた後、登別を後にした。

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 今日は、支笏湖を眺め、札幌市内を観光してから、層雲峡まで走るというハードスケジュールだ。
 道央自動車道を苫小牧西で降りて、山道を走ること小一時間で、支笏湖の青い湖面が姿を表した。
 支笏湖は、日本で八番目に大きい湖だが、恵庭岳、風不死岳、樽前山に囲まれているせいか面積よりも小さく見える。しかし、カルデラ湖であり水深は363メートルに達する。吸い込まれそうな凪いだ湖面を渡る風が、肌に心地よかった。

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 そろそろお昼で、小腹が空いたので、売店でキタアカリを使ったじゃがバターを買ってぱくつく。湖を眺めながら、木陰でいただくとじつに美味絶佳だった。

 支笏湖の次は、札幌市内の南に広がる牧歌的なここだ。

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 クラーク博士の銅像の横から見晴らす札幌の町は、じつにいい眺めだ。
 この場所は、記念撮影のめっかでもあり、順番を待って記念撮影。ところが、私たちのグループが撮影し始めたところで、にわか雨が降ってきた。大粒の雨に打たれながら、レストハウスに逃げ込んで、そのまま昼食になった。
 札幌にはいろんな名物があるが、ラム肉のジンギスカンはその最右翼だろう。ここ羊が丘のレストハウスでも、ラムのジンギスカンが頂ける。注文したのは三人前だったが、肉も野菜も十分な量だった。

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 クルマで、札幌市内の有名どころを回る。
 大通公園、テレビ塔、時計台、旧北海道庁。北大ポプラ並木を眺めてから、道央自動車道に乗り入れて一路、層雲峡を目指す。
 ここから層雲峡までは、今回の旅行でいちばんの難所だ。ひたすら高速道路をたどっていくので、睡魔の襲来にも備えなければならない。持参のフェイバリッツ・ナンバーのCDをガンガンに鳴らし、運転を交代しながら走る。ときおり、激しい雨に見舞われたが、雨が上がると北の大地にすっくと立つ二重の虹が見えた。雨と虹とアニソンに彩られた三時間弱が過ぎて、夕闇の迫る層雲峡に無事到着した。
 今夜の宿は、層雲峡温泉のいちばん奥に建つ「層雲閣グランドホテル」だ。層雲峡開発の功労者荒井初一ゆかりの宿で、湧き出す温泉とともに層雲峡の歴史を見守ってきた伝統の宿である。

 素朴な温泉大浴場でのんびりと寛いだ一夜を明かし、翌日はまず層雲峡の観光からはじめた。
 宿からクルマで数分のところに、層雲峡を代表する名勝である銀河の滝と流星の滝がある。小雨模様だが、柱状節理の大渓谷にあふれる緑の木々に白い霧がからみつき、山紫水明の趣がある。

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 銀河トンネルを抜けて、大函を観光。

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 ここで、自転車で観光に来ていた中国人に写真を撮ってくれと頼まれる。自転車と言っても、高価そうなロードバイクで、手渡されたのはデジカメならぬiPhoneだった。これは余談だが、帰宅後に見たニュースで、サイクリングで旅行をする外国人を誘致する動きが北海道を中心にして行われている、ということだった。なるほど、と思う。
 層雲峡を後に、旭川紋別自動車道から道央自動車道を乗り継いで、旭川北ICから南下し、美瑛の丘を目指す。
 旭川空港の脇をかすめて、国道237号線から細い道を登ると、眼前に、かなたまで続く丘の風景が広がった。ここを訪れたのは三回目だが、いつ来ても爽やかな感動がある。

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「マイルドセブンの丘」、「セブンスターの丘」、「ケンとメリーの木」などの有名スポットを回ったところでちょうどお昼になった。
 今日のランチは、丘の一角にある「あるうのぱいん」という小さなパン屋さんにした。

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 ガイドブックに載っているせいで混雑していたので、イートインは諦めて店頭のパンを買って丘を眺めながら頂いた。道内産の小麦と自家製天然酵母を使った手作りのパンだそうで、香りが高くもちっとした食感のパンだった。青空の下、丘を渡ってくる風が心地良かった。
 国道237号線をさらに南下して、富良野に向かう。
 富良野といえば、かなりな名の知れた観光地だが、富田ファームのラベンダーはとうに見ごろを終えているし、他にはこれといって名勝旧跡があるわけではない。
 そこで、TVドラマ「北の国から」のロケに使われた小屋が残されている「麓郷の森」に行くことにした。
 派手な観光地を想像していたが、富良野の東端にあり十勝岳連邦の南端に接する「麓郷の森」は、意外なほど静かで素朴なたたずまいの場所だった。

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 杉の木立の中に、ログハウスのレストランやショップが遠慮がちに建ち並び、ドラマで黒板一家が住んだ家もそのまま保存されている。

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 保存と言ったが、じつは森の中で風雨にさらされたままなので、いい具合に老朽化が進み、すでに歴史的建造物の風格すらある。たぶん、ドラマの記憶とともに朽ち果てていき、そのうち昔語りにだけ出てくるようになるのだろう。木の間ごしの日差しに照らされた廃屋に、すこしだけ感傷を覚えた。

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 今回の旅行は、ここが最後の観光地だ。
 富良野から山を越えて占冠に出て、道東自動車道を走って新千歳空港まで、運転を交代しながら二時間ほどで帰着した。
 美瑛の丘でも麓郷の森でもずっと良かった天気だが、道東自動車道に入った途端に雲が広がって、大粒の雨が降りそそいだ。
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コメント
364:北海道に by 八少女 夕 on 2013/09/05 at 01:46:58 (コメント編集)

いらっしゃったのですね。いいなあ、その海鮮づくし丼(?)
レンタカーですか。日本の他のところは、怖いから運転できなそうだけれど、北海道なら私にもできるかなあ。というか、車でないと見られないところが多そうですよね。

いつもながらの盛りだくさんの旅、一緒について行ったような氣にさせていただきました。(グルメ以外)
ありがとうございました。

365:Re: 北海道に by TOM-F@管理人 on 2013/09/05 at 19:43:06

> 八少女夕さん

 はい、行ってきました。遅めの夏休みです。

 北海道は、いろいろと美味しいものがありますが、海鮮ものは格別です。安くて、量が多くて、しかも美味しいと、三拍子揃っていますから。夕さんも、ご帰国の折に、一足延ばして函館あたりまで行かれてはどうでしょう。

 道内の主要な都市間や観光地は、高速道路でアクセスしやすくなっていて、クルマでの移動はやはり便利です。ただ、走る距離はハンパじゃなく、今回の旅行では三日間で約1000キロ走行しました。

 拙い旅行記ですが、楽しんでいただけたようで嬉しいです。
 コメント、ありがとうございました。

366:美味しそうですね~ by 大海彩洋 on 2013/09/08 at 12:43:28 (コメント編集)

北海道って、空港だけでも楽しいんですよね~
私、多分、新千歳空港で1日遊べる!といつも思ってしまいます。
素敵なお休みだったようで、何よりです。
温泉もあるし、食べ物は美味しいし、見どころは満載だし、北海道を満喫されましたね(^^)
私は帯広あたりが好きで、時々何となく馬を見に行きます。『北の国から』も好きなんですが(すごいファンでもないけど)麓郷には行ったことがないなぁ。今度、行ってみようかなぁ……
素敵な旅行記、楽しませていただきました(*^_^*)

367:Re: 美味しそうですね~ by TOM-F@管理人 on 2013/09/08 at 22:45:27

> 大海彩洋さん

 新千歳空港で一日遊べる、同感です。三階にはアニメイトもありますし(笑)
 北海道は、四季折々、いつ行っても楽しいですね。冬もいいし、春もいいし、夏もいい。秋にも行ってみたいものです。
 帯広あたりは、北海道の雄大さが味わえる場所ですね。
 富良野は全般的に開拓地という感じが色濃く残っていますが、麓郷もそういう感じの場所です。ああいう場所だから、『北の国から』という詩情あふれるドラマも生まれたんでしょうね。

 コメント、ありがとうございました。

368: by スカイ on 2013/09/09 at 20:10:46

こんばんは。

おおーー、北海道に来られたのですね。
北海道に住んでいるのに、TOM-Fさんの行かれた場所で逝ったことがあるのが、小樽札幌層雲峡という。
札幌も、実は修学旅行くらいしか、じっくり見て回ったことが無いのですよね。

北海道は、車の移動楽なのではないでしょうか?
交通手段が少ないし。
車を運転したことが無いので解らないけれど、道路が広いらしいですね。

私の住んでいるところは、観光要素無くてつまらないからなあーー
強いて言うなら、スイーツが美味しい、でしょうか?(特定されたか……?)

運転長時間、お疲れさまでした!

369: by 山西 サキ on 2013/09/09 at 21:43:26 (コメント編集)

北海道かぁ、憧れますねぇ。
先は若い頃バイクで走り回ったと聞いております。
こっそり聞き出したところによると、ママさんとタンデムで、しかも結婚前だったらしいです。小樽から上陸して、その日の内に美幌まで走ったと言ってました。
よくやるよ。
美味しい物をたくさん食べて、大自然に癒やされて、創作のエネルギーをたっぷりと補給されたことと思います。
お疲れ様でした~。

370:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2013/09/10 at 00:52:55

> スカイさん

 はい、お邪魔しましたよ、北海道。
 有名観光地なんて、近くに住んでいると案外行かないものじゃないでしょうか。私も、関西に住んでいますが、世界遺産のお城や寺社にはめったに行きませんし。

 北海道は、道は広いし、まっすぐだし、クルマは少ないしで、とても快適でしたよ。移動距離が長いので、その点は大変でしたけど(笑)
 スカイさんのお住まいは、スイーツが美味しいんですね。あそこかな~とか思いますが、自信がないのでわからないことにしておきます。

 コメント、ありがとうございました。

371:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2013/09/10 at 01:04:41

> 山西サキさん

 そうですよね、なんか関西とかに住んでると、北海道って憧れの場所ですよね。
 へえ、先さん、バイクで北海道を回っていたんですね。そういう方は、多いみたいですよ。って、タンデムで一日で、小樽から美幌まで……それは、すごいです。
 ライダーの人たちって、よく走るなぁって思いますよ。雨でもへっちゃらって感じですしね。きっと、ロマンティックな思い出を、たくさんお持ちなんじゃないでしょうか。ちょっとウラヤマシイです。

 美味しいもの+温泉+でかくて綺麗な風景で、創作のエネルギー充填120%です。せっかくたまったんですけど、使い方がイマイチ悪いんですよね(笑)

 コメント、ありがとうございました。 

372: by ゆさ on 2013/09/10 at 20:56:38

北海道いいなあ~(^▽^)
クラーク博士懐かしい、札幌市内だけでもずいぶん移動なさったんですね。
小樽、登別、旭川、富良野、まだ訪れたことがないです。
ステキな予習になりました♪
地獄祭り見てみたい!郷土芸能っ(≧ω≦)wktk

北海道はすごい量の海産物がお手頃価格で買えますよね~。
鮭1本100円とか。

ずいぶん前に家族旅行でレンタカー乗って知床から釧路までドライブしましたが
道広いしまっすぐだし、鹿出るし、退屈なときもありましたが楽しかったのを覚えています。
うおー北の大地を爆走したい。

雨の中の運転お疲れ様でした!

373:Re: タイトルなし by TOM-F@管理人 on 2013/09/12 at 00:56:40

> ゆささん

 はい、北海道いいですね~。
 ゆささんの北海道紀行、覚えていますよ。いろいろあっても、それも旅の思い出ですよね。
 クラーク博士、札幌といえばこの人ですよね。羊が丘は、牧歌的なという言葉がぴったりする場所ですよね。今回は、北海道デビューのメンバーがいたので、道央の見所ばかりを詰め込んだツアーになりました。
 小樽、登別、旭川、富良野、いずれもオススメですよ。ぜひ、行かれてみてくださいね。その節には、また楽しい紀行をお願いします。

 海産物は、たしかに安くてビッグですね。カニとか、一匹単位が基本ですから、気軽に買えませんけど(笑)
 北の大地は爆走したくなりますけど、取り締まりも多いやに聞いているので、ご用心を。

 コメント、ありがとうございました。

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