RSS

Aurvana In-Ear2

 久し振りに、新しいイヤホンを購入した。 Creative Aurvana In-Ear2 だ。

    130814-001.jpg

 以前から、いちどバランスドアーマチュア(BA)型のイヤホンを使ってみたいと思っていたが、価格と音のバランスが悪くて、なかなか購入に踏み切れていなかった。
 あれこれ物色しているうちに、評判のいいcreativeのAurvana In-Ear2が、アウトレット直販で3480円で販売されているのを見つけて、思わずポチってしまった。
 アウトレットということで、いちおう「訳あり」品なのだが、届いた商品の「訳」は外箱のキズだった。音にはなんら問題はない。というか、外箱のキズくらいで、半額以下にするのか、というのがホンネだった。

 開封してみると、まず本体の小ささに驚く。装着しても、なにもつけていないかのように軽い。このあたりは、BA型ドライバーが一基だけというシンプルな構成が幸いしているのだろう。
 さっそく付属のイヤーピースを付けて、エージング代わりに何曲か聴いてみたが、どうも音全体がスカスカで頼りない。
 やはり安物は、と思いかけたが、もしやと思い直して手持ちのイヤーピースをあれこれ試してみた。すると、SONYのノイズアイソレーションイヤーピースEP-EXN50との組み合わせで、驚くほど音が良くなった。低音の厚みがぐっと増し、音全体の迫力が断然アップしたのだ。これなら、いける。
 この組み合わせで、レビューをしてみたい。DAPはSONYのNW-A847、音源はMP3 320KBPSだ。比較対象のリファレンス機はATH-CKM99に勤めてもらおう。

 まず一曲目、J-POP代表のFictionJunction YUUKA「聖夜」。
 この曲は、イヤホンやヘッドホンを試聴するときには、まっさきにかける標準試聴曲でもある。
 イントロが鳴った瞬間に、「あ、この音好きだ」と思った。タイトでもワイドでもなく、ふわりと包み込まれるような音場に、南里侑香のちょっと鼻にかかった声が、とてもチャーミングに浮かび上がる。子音のあとの母音が「たあ~」と、きれいに聞こえる。
 バックで鳴っている楽器の音も、ごちゃっとならずにしっかりと分解されて聞こえるし、弾むようなドラムやベースも量も厚みもそこそこあって心地よい。逆に、シンバルや鈴の音は、きちんと鳴っているものの若干引き気味だ。
 全般に、気持ちのいい音だと言えるだろう。

 二曲目は、J-POPのバラード、藤田麻衣子「横顔〜わたしの知らない桜〜」。
 イントロのピアノソロと弦楽器の演奏がとても繊細で、透明感もあって引き込まれた。
 藤田麻衣子のバラードが、まるで目の前で歌っているようにリアルに聞こえたのには驚いた。唇がひらいて、艶やかな声が息とともに出てくるのが耳元に感じられて、ぞくぞくとする。
 ATH-CKM99のしっとりとした歌声も素晴らしいが、Aurvana In-Ear2の方が魅力的だった。

 三曲目は、アコースティックの器楽曲だ。ARIAオリジナルサウンドトラックより、Choro Club「ゴンドラの夢」。
 ギター、マンドリン、コントラバスというアコースティック楽器ばかりのトリオ曲だが、この鳴り方はなかなか良い。
 ギターの左手が弦を滑るときのきゅあっという音、マンドリンの弦を爪弾く音、コントラバスの胴がぐあん鳴る音まで、しっかりと聞こえてくる。
 演奏の臨場感も素晴らしくて、ライヴハウスで聞いているような気分になった。

 四曲目は、またしてもJ-POPで霜月はるか「ユラグソラ」。
 霜月はるかの歌声はニュアンスがよく出ていて可愛いが、曲全体では音の厚みが絶対的に不足していてスカスカな感じがする。
 この曲の最大の魅力は、広大な空間に響き渡るような音なのだが、そこの表現力は弱かった。たとえば、ちょくちょく出てくるトライアングルや鈴の音が、ATH-CKM99なら虚空にちりーんとかしゃらーんと鳴り渡るのだが、Aurvana In-Ear2では目の前でちん、しゃんと鳴って消えてしまう、という感じだ。
 もとよりイヤホン泣かせの曲なのだが、やはりシングルBAのAurvana In-Ear2には敷居が高かったようだ。

 最後は、クラシックのド名曲「メンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64」をヤッシャ・ハイフェッツのソロ、シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団で。
 ハイフェッツのメンデルスゾーンは、この曲の甘ったるいイメージとはかけはなれたクールかつスリリングな演奏だが、Aurvana In-Ear2ではそれが際立って聞こえる。ATH-CKM99ならマイルドに聞こえたヴァイオリン・ソロが、まさしく曲芸の域であることを再認識させられた。指揮者やオーケストラに向って「オレについてこれるか」とばかりに、ドヤ顔で演奏するハイフェッツの姿が目に浮かぶようだ……って、実物は見たことないけど(笑)

 総括すると、ATH-CKM99との比較では、勝っているのは、音のクリアさ(分解能)と、繊細なニュアンスの表現力で、劣っているのは、音場の空間的表現力と音の厚みだろう。
 Aurvana In-Ear2は、女声ヴォーカルやアコースティック系楽器が得意なようで、はっとするほど魅力的に聴かせてくれる。
 ATH-CKM99のゴージャスさには及ばないが、音の分解能と艶、意外に出る低音、聞き疲れのしない音色など、定価で8800円、アウトレット品なら3480円のイヤホンとは思えないほどの実力者だった。
 なにより、軽くて小さくて、装着感がいいのが素晴らしい。今では、ATH-CKM99と使い分けて楽しんでいる。
 はじめてBA型を買うのなら、コストパフォーマンスの高さでお勧めできる一品だ。

 ※記事で紹介した曲の試聴は、追記(Read More)からどうぞ試聴用のリンク・動画

1.FictionJunction YUUKA「聖夜」

2.藤田麻衣子「横顔〜わたしの知らない桜〜」
  

3.Choro Clubの「ゴンドラの夢」
  

4.霜月はるかの「ユラグソラ」
  

5.ヤッシャ・ハイフェッツのソロ、シャルル・ミュンシュ指揮、ボストン交響楽団
「メンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64」
  
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
323:FictionJunction!!! by 高橋月子 on 2013/08/14 at 16:25:50

TOM-Fさんこんにちは^ ^
オーディオ機器はあまり詳しくないのですが…FictionJunctionに喰いついてしまいました^ ^
高橋、特にstone coldが好きで(*^o^*)
iPhoneにも入れています^ ^

324: by TOM-F@管理人 on 2013/08/15 at 15:02:33

> 高橋月子さん

 FictionJunctionいいですよね。
 私は、アルバム「Everlasting Songs」にはまりました。佳作揃いのアルバムですので、強力にお勧めしておきます。
 FictionJunctionに限らず、梶浦由記の音楽が好きなので、kalafinaなんかをよく聴いています。彼女の音楽って、幻想的でしかもかっこよくて、聴いているといろんな妄想(あくまでも創作上のですよ)が湧いてきて、いいんですよね。

 コメント、ありがとうございました。

326:ハイフェッツ〜 by 八少女 夕 on 2013/08/21 at 04:13:27 (コメント編集)

メンコン好きですねぇ。ハイフェッツの演奏によるメンコンははじめて聴きました。うん、きっとドヤ顔でしょうね(笑)

8800円が半額以下! お買い得でしたね。

ところで、新しいプロフィール画像がとっても氣になるんですが。何何? ブログ名がちゃんとカップに書かれているし、どうやって。もしかして、この方は?

335:Re: ハイフェッツ〜 by TOM-F@管理人 on 2013/08/21 at 18:50:10

> 八少女夕さん

 メンコン、いいですよね。あれを聴いていると、幸せな気分になりなす。文字通り「音楽」ってやつです。
 アウトレット品という扱いなんですけどね、その理由がホントにしょうもなくて、外箱にちょっと傷があるだけで6割引ですからね。後継機が出ているので、アウトレットの名を借りた在庫一掃セールっていう気もしますが、安く買えたのはありがたかったです。

 新しいプロフ画像ですが、ずっと使っていた三日月に妖精のイラストも気に入っていたんですが、ブログタイトルには合ってないよな~と思っていました。で、イメージチェンジです。
 気にしていただいて嬉しいのですが、あの画像はいわゆる素材でして、私自身ではありません。ブログタイトルの文字は、画像編集ソフトでのテキスト張り付けです。「幽霊の正体見たり……」ってところです(笑)

 コメント、ありがとうございました。

▼このエントリーにコメントを残す

   

ようこそ

オーナー

TOM-F

Author:TOM-F
 
 ようこそ、Court Cafe へ。

 自作小説をメインに、アニメや旅行記など趣味のお話を綴っています。
 楽しいひとときを、おすごしください。

作品

FEOバナー

花心一会バナー

あの星バナー

妹背の桜バナー

記事

コメント

ブロとも

ブロとも申請

リンク

外部リンク