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Fate/Zero

 Fate/Zeroは、TYPE-MOONから発売されたライトノベルを原作とした、アニメ作品である。

 原作の著者は、『魔法少女まどか☆マギカ』で、アニメおたくたちの度肝を抜いた、ニトロプラスの虚淵玄。奈須きのこがシナリオを書いたゲーム『Fate/stay night』の設定を基に、その約10年前に起きたとされていた「第四次聖杯戦争」を描いている。
 どんな願いでも叶えるという「聖杯」を巡って、七組の魔術師(マスター)と使い魔(サーヴァント)が殺しあう「聖杯戦争」。登場人物たちの欲望や苦悩や葛藤といった重い内容を軸に、聖杯戦争の帰結を2期2クール25話に詰め込んだ。

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 この作品、本来なら『Fate/stay night』への壮大なプロローグということになるが、そのボリュームと完成度を考えると、並立するふたつの作品と位置づけたほうが良いだろう。

 Ufotableが制作に当たったアニメーションについては、ほとんど文句のつけようがないレベルの仕上がりだった。戦闘シーンだけでなく、日常のちょっとしたシーンも手抜きなしの作画で、見事だった。

 音楽は、TYPE-MOON作品の常連になりつつある、梶浦由記。画面全体に響き渡るような、壮大でメロディアスな音楽で物語をおおいに盛り上げてくれた。
 第1期、第2期各々のオープニングとエンディングも、いずれ劣らぬ名曲ぞろい。とくに、第2期オープニングの「to the beginning」は、ヴォーカルユニットKalafinaの歌唱力を最大限に引き出した歌で、聞いていると鳥肌が立つのを抑えられなかった。

 演出も、レベルの高いもので、印象的なシーンも多い。

 シナリオの評価は、若干、難しい。あらゆる意味で、『Fate/stay night』ありきの作品である。しかも、その前日譚なので、そもそもシナリオ上の制約が多い。予備知識のない視聴者には、いささか敷居が高かっただろう。
 それが端的に現れているのは、皮肉にも『Fate/stay night』のヒロインたちを登場させている部分だ。TOM-Fお気に入りの遠坂凛はすでに魅力的だし、イリアスフィール・フォン・アインツベルンはすでに可哀想な扱いだし、間桐桜はすでに不幸のどん底にいる。
 だが、それがどういう意味を持つことなのかは、『Fate/stay night』を知っていなければ分からないのだ。遠坂凛に至っては、この作品においてさして必要もないのに活躍させてしまっている。ファンへのサービスなのだろうが、無用のものだったと思う。

   120718-06.jpg 遠坂凛。後に、五大元素使い(アベレージワン)と呼ばれる天才魔術師

 そして、シナリオの評価を困難にさせているもう一つの要因は、この作品が群像劇だという点にある。TYPE-MOON作品には、極めて魅力的な脇役が多く、ともすると主人公を食ってしまうこともある。今回の作品も、そのパターンだった。
 この作品の主人公は、「魔術師」衛宮切嗣とそのパートナーであるアイリスフィール・フォン・アインツベルン、そして「セイバーのサーヴァント」アルトリアなのだが、

   120718-02.jpg アイリスフィール・フォン・アインツベルンと衛宮切嗣

   120718-03.jpg セイバーのサーヴァント、アルトリア

正直、目立っていたのは、敵方の「魔術師」言峰綺礼と「アーチャーのサーヴァント」ギルガメッシュ、そして「ライダーのサーヴァント」イスカンダルだ。

   120718-07.jpg 魔術師、言峰綺礼

   120718-05.jpg アーチャーのサーヴァント、ギルガメッシュ

   120718-04.jpg ライダーのサーヴァント、イスカンダル

 この三人に、おいしいところは全部持っていかれたと言っても過言ではあるまい。この作品は聖杯戦争にかかわった者たちの群像劇として見るべきであり、主人公たちの活躍を期待して見ると、物足りない印象に終わってしまうだろう。

 この作品は、第1期13話の放映後、約3ヶ月のインターバルがあって、第2期12話が放映されるという変わった構造をとっている。しかも、物語は連続しているので、正直言うとちょっと無理をしたなぁという部分がある。第1期13話がいささか冗長に、逆に第2期12話は駆け足すぎるように感じられるのだ。その点も、少々残念だった。

 とはいえ、この作品は圧倒的なアニメーションと音楽とシナリオを持った、一級品であることに間違いはないと思う。重厚すぎて気軽には見られないが、見終わったあとの充実感はそれを補ってあまりある。
 アニメが好きな人には、おすすめできる作品だろう。
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コメント
63:おもしろかったけどよくわからなかった by ひゅひゅ on 2012/07/24 at 00:13:22 (コメント編集)

前作知らないでこれ見たから確かに誰が主人公なのか後半にはいるまでわからなかったヨ。
それから、重い声のおっさんキャラが多いから、誰が誰やら最後までよくわからず終わってしまった。しかもおっさんキャラが使う言語がどうにも時代がかっていて、さらに難度を増していた気がする。
そんな難解な中でライダーが絡む話はわかり易く安心して見られた。やっぱり分かり易さって大事だね。

64:Re: おもしろかったけどよくわからなかった by TOM-F@管理人 on 2012/07/24 at 01:33:06

ひゅひゅさん

コメント、ありがとうございます。
お久しぶりですが、お元気でしたか?

そうでしょねぇ、stay/night のゲームかアニメを見ていらっしゃらないと、
なんのこと? というシーンや話しが多かったと思います。
あっちはハーレム系なので、気分転換にいちどご覧になってみてくださいな。
遠坂凛、最高ですよ!

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