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Serial Experiments Lain

 Serial Experiments Lain は、TVアニメ、PLAYSTATIONゲーム、雑誌連載企画などのメディアミックスで展開された、文字通り「一連」の「実験的」作品である。

 TVアニメは、1998年7月から9月まで、テレビ東京で放映された。第二回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の優秀賞にも選出されている。

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 まだインターネットもそれほど普及していなかった1998年当時に、ネットワークの仮想世界「ワイヤード」と、現実世界「リアルワールド」の関係について、深く描きこんだ本作が作られたことは特筆に価するだろう。

 ネットワークとは、仮想世界とは、現実世界とは、記憶とは、そして存在とは何か。主人公の少女、岩倉玲音《いわくられいん》と、ワイヤードやリアルワールドの「住人」たちとの関係を通じて、その「何か」という問いかけが延々と語られていく。これほど特異なアニメは空前絶後であり、今日でもその前衛さとシュールさは他作品の追随を許していないと思う。

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 ストーリーは、あまり分かりやすいものではない。テーマの特異性や演出の不可解性とあいまって、全体として受け手を選ぶ「理解困難」な作品であると言える。むしろ、制作者側の意図は、視聴者に簡単に理解させないことだったのかも知れない。

 アニメーション技法は、現在のデジタルアニメのような高精細なものではなく、むしろ省略するところは思い切って省略し、リアルさよりもアニメらしさを感じさせるもの。背景だけの描写や、テキストだけの描写、実写やCG画像を使用した描写などが多く、その意味でも「実験的」な作風だ。
 第1話を見て、これは面白そうだ、と感じたら最後まで見られるだろうし、はぁ? と思ったら、その先は見ないほうがいいだろう。

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 ただし、コンピュータ、しかもAppleが好きな人には、全編を通じて楽しめる要素に事欠かないだろう。それと、作品で重要な役割を持つネットワークコミュニケーションPC「NAVI」に搭載されている音声制御OS「COPLAND」のインターフェイスの先進性は、現在最新のWindows7やMacOS-Xですら足元にも及ばないほど斬新だった。

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 私は、この作品は、間違いなくアニメ史上に残る稀有なものだと思っている。そういうコアなファンは根強く存在しており、なんとFHDでブルーレイ化された。機会があったら、大画面TVで見てみたいものである。

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 なお、本作には、PLAYSTATION版のゲームもある。ソフトはすでに絶版で、現在では入手困難なレアものだ。ネットオークションや中古市場では、数万円という値がついている。かつて一度だけプレイしたことがあるが、TVアニメよりも数段敷居の高いゲームであった。いや、あれをゲームと呼んでいいのかは、未だに疑問である。

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 内容は、ゲーム画面上で、岩倉玲音の姿をしたマルチメディアプレイヤーを操作して、音声ファイルや動画ファイルなどを閲覧するだけのものである。それは、自閉症で離人症の玲音がカウンセリングを受けた記録と、玲音の日常生活の記録であるが、その内容たるや実に不可解かつ陰々滅滅としたもので、全部を見終えたあとには、なんともやるせない気持ちになった。

 一応、TVアニメを補完するもので、両方を見れば「レイン=Lain=玲音」が何者なのかということがわかるようにはなっているらしい。らしい、というのは、私には結局、彼女が何者だったのかが理解できなかったからだ。

 いずれにせよ、よほどの物好きでなければ、このゲームには手を出さない方がいいだろう。

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