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Court Cafe BLOG

【小説】 挿頭の花 -衣通姫伝説外伝-  (2)

 
先週の第1回の続き、第一話の後半を投稿します。

春の花見の宴。
ヒロインとの出会いもあった、穏やかな催事ですが、その裏側では不穏な会話も交わされていたようです。
なんか、きな臭いぞ。
ところで、きな臭いのきなって、なんなんでしょうか(by千反田える)


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 『挿頭の花 -衣通姫伝説外伝-』


「兄上は、ほんとうに謀反など企んでいるのだろうか。たしかにあれこれ不穏な発言は多いが、それだけで死罪とはいくらなんでもやりすぎではないか」

 大鷦の言葉は正論だったが、宇治雪は、ふふふ、と上機嫌に含み笑いをした。

「その不穏な発言とやらが、どれだけの人の口の端に上ったら、この私の耳にまで届くと思いますか? もはや暴言失言では済まないでしょう」



  天の章 第一話 天泣 (後)  【https://ncode.syosetu.com/n3893ht/2】


※ 次回、 「聖帝 (前)」 は、8/24(水)に投稿予定です。


人間関係がわかりにくいという方のために、人物相関図を用意させていただきました。
参考になさってください。


IMS00-相関図

【小説】 挿頭の花 -衣通姫伝説外伝-  (1)

 
本日から新作小説の連載を開始します。

古事記と日本書紀に見える衣通姫伝説から着想を得て、平安時代を舞台にして執筆した小説『妹背の桜 -衣通姫伝説異聞-』の続編で、前日譚にあたる小説です。

3章構成で、およそ7万文字くらいの作品になりそうです。
月2回の連載で、1年くらいになる予想です。息切れしたら、すこしお休みいただくかもしれませんが、最後までおつきあい下さると嬉しいです。


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 『挿頭の花 -衣通姫伝説外伝-』


「あなたも、白鳥の王の子なのね……」

 言葉の意味はわからなかった。けれど秋月は、その人と自分が同じところにいるのだ、と告げられたような気がした。
 そして、これからもそうありたいという願いが、口をついて出た。

「続きを」

 その人が首を傾げる。ほのかに甘い香りがした。



  天の章 第一話 天泣 (前)  【https://ncode.syosetu.com/n3893ht/1】


※ 次回、 「天泣 (後)」 は、8/3(水)に投稿予定です。


人間関係がわかりにくいという方のために、人物相関図を用意させていただきました。
参考になさってください。


IMS00-相関図

【お知らせ】 新作小説の予告です!

 
先日の記事ですこし触れた新作小説ですが、執筆がそこそこ進みましたので、発表に踏み切ることにしました。
前回の記事と被る部分もありますが、あらためて紹介させていただきます。

タイトルは、『挿頭(かざし)の花 -衣通姫伝説外伝-』です。

古事記と日本書紀に見える衣通姫伝説から着想を得て、平安時代を舞台にして執筆した小説『妹背の桜 -衣通姫伝説異聞-』の続編で、前日譚にあたる小説です。

連載開始は、7月27日、来週の水曜日です。
当面の間は、月二回の更新を予定していますが、ストックが無くなったら間隔が空くのは、いつものパターンです(笑)

どんな作品なのかについては、以下の煽り記事、もとい、プロモーションをご一読ください。


 ≪作品プロモーション≫

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 古代日本。
 民から聖帝と敬愛された、偉大な帝の御代。

 人並はずれた美貌の妃に、道ならぬ思いを寄せる皇子がいた。

 ――いつの日にか、必ず約束を果たします。

 かつて、許されたはずの結婚、交わした約束。

「そなたの妻にするがいい」
「お断りしたわけではないわ」
「ならば決まりだな」

 だが……。

「わが妃としてお迎えする」

 帝からの入内の命令が、運命の歯車を大きく狂わせた。

 募る想い、そして不義密通の結果。

「主上の妃とあのようなことをするなど」
「以後、内裏への参内は無用である」
「理由はそなたの胸に聞いてみるがいい」


 様々な人の思惑をはらみ、交錯する愛憎。

「今夜、私のところにいらっしゃい」
「あの女を御所に置くというのなら、私は都には戻りません」
「もはや、それしかあるまい。俺にも、そしてそなたにもな」

 人心を惑わす、魔性の血統。

「目が、心が、そして血が、求めるのだ」
「それはあまりに美しく、そしておぞましい」
「あの者たちの血は、やがて必ずこの国に災いをもたらします」


 政権に影を落とす、反逆の芽。

「やはりこの俺が引導を渡してやらねばならんか」
「後ろ盾を失った鷦(すずめ)一羽、狩ってしまえば良いのです」
「今ごろ貴方が帝だったはずだ」

 不穏な空気が醸成される中、要であった聖帝が崩御する。

「お前が引き継ぐのだ」

 長子東宮への盤石の帝位継承。
 ……の、はずだった。
 しかしそれは、皇統を揺るがす騒乱のはじまりだった。

「黄櫨染の男を探せ。なんとしても見つけ出すのだ」
「ただちに軍を整えよ。これは詔である」
「雑兵には構うな。一気に本陣を突く」


 そして、二人の男がすべてを賭けて激突する。

「戦いに勝ったものが、この国を統べる。それでよかろう」


 古代史エンターテイメント小説『衣通姫伝説』シリーズ、最新作

 『挿頭の花 -衣通姫伝説外伝-』

 皇紀2682年(令和4年)7月27日、連載開始!

「必ず、あなたを取り返す」
 

【お知らせ】 新作執筆報告 & 『妹背の桜』改稿

 
ここのところ、すっかり記事の投稿が減っていますが、じつは「書く書く詐欺」を解消するために、新作小説の執筆を進めています。

タイトルは、『咲き初めの花 ―衣通姫伝説外伝―』(仮称)。

古事記と日本書紀に見える衣通姫伝説から着想を得て、平安時代を舞台にして執筆した小説『妹背の桜 ―衣通姫伝説異聞―』の続編で、前日譚にあたる小説です。主人公たちの父母の時代のお話で、謎かけのままで終わっている衣通桜皇女の出生の秘密(=正体)が明かされます。

三部作を時系列に整理すると、

 『咲き初めの花 ―衣通姫伝説外伝―』
   ↓
 『妹背の桜 ―衣通姫伝説異聞―』
   ↓
 『花守 ―平野妹背桜縁起ー』

という順番になりますが、通読される場合は、

 『妹背の桜』
  ↓
 『花守』
  ↓
 『咲き初めの花』

という順番がお勧めです。
というか、絶対にその順番で読んで下さい。ネタバレしてからミステリー読んでも、面白くないでしょうから(笑)


さて。ここからが本題(前振り長すぎw)

新作小説の公開に先立ち、『妹背の桜』本編を改稿しました。

まずは、登場人物の名前を大幅に変更しました。
『妹背の桜』において、主人公たちの父母世代の名前を家系図的に紹介しているのですが、たとえば、最重要人物である「御室皇女」は「八花(やか)内親王」に、歴代天皇の名前も「仁和(にんな)大王」「鹿苑(ろくおん)大王」「慈照(じしょう)大王」をそれぞれ「大鷦(おおささぎ)帝」「伊穂(いほ)帝」「瑞葉(みずは)帝」にという具合です。
そして、お気づきと思いますが、物議をかもした敬称についても、作品の舞台となる時代に合わせて「大王」を「帝」または「主上」に、「皇子」を「親王」、「皇女」を「内親王」、「皇太子」を「東宮」などに修正しています。

続いて、章立てを見直し、大きなばらつきがあった各話の文字数を、一話あたり概ね3000文字に調整しました。
合わせて、文章表現も見直しました。過剰な部分は削り、不足していた部分を補強しました。
これで、全体的に読みやすくなったと思います。

改稿といっても、ストーリーや設定はそのままで、枝葉末節の手直しだけですので、すでにお読みいただいた方は、あらためてお読みになる必要はありません。

もちろん、再読していただければ望外の喜びですが(笑)


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『妹背の桜 ―衣通姫伝説異聞―』
 

【思い出色の写真集】(4)下灘、青いスタスィオン

 
『思い出色の写真集』4ページ目は、四国の小駅で撮った写真。


 その駅は、「青」のなかにあった。


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 駅名は下灘。
 愛媛県松山市の西方、伊予灘に面した鄙びた無人駅だが、JRの「青春18きっぷ」のポスターに写真が載って一躍有名になった。
 最近では、絶景を求めて多くの人が訪れる観光名所になっている。

 この駅に来て思い浮かんだのは、1986年にヒットした歌『青いスタスィオン』だった。
 キャッチーだが哀愁を帯びた後藤次利のメロディに合わせて、夢を追って都会へ向かう恋人を見送る女性のせつない心情を秋元康が歌詞にした。河合その子のどこか甘えたような歌唱も、曲の雰囲気に合っていた。
 かつてのこの駅は、きっとそんなひそやかな別離(ドラマ)の舞台だったことだろう。

 列車が駅を出発して観光客の喧騒が去ると、駅は静かな「青」に包まれた。

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