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小説『トリック・オア・トリート』 ツィッター小説

 
「プロフーズ」という食品や調理器具を扱うお店で、和菓子のねりきり作り教室が開催された。和菓子は大好きだし、面白そうなので参加してみた。

ねりきり作りといっても、白餡を作るところからはじめるという本格的なものではなく、すでに出来上がった白餡を、自分の好きな形に成形するだけという手軽なものだった。

用意されていたのは、白とオレンジの白餡。それに、小倉餡の塊と、黒や緑の小粒の白餡も並んでいる。

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どうやら、ハロウィン向けのお化けやジャック・オー・ランタンを模して作ろうという趣旨のようだ。

白い白餡(ややこしいw)は、お化けの形に成形する。いろいろ試してみたが、出来上がったのは雪だるまだった。オレンジので鼻をつけて、オラフにすれば良かったと、ちょっと後悔。

気を取り直して、オレンジの白餡でジャック・オー・ランタンに挑戦。

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小倉餡を中に包んで形を整え、シリコンのスクレッパーで溝を切る。
頭に緑のヘタを付ければ、それらしい形になった。そして目と鼻と口をつけてみたが、なんかちょっと違う。
あとで気が付いたのだが、目と鼻は三角形にすればよかったのだ。

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まあ、見た目はアレだが、味と食感は完全な和菓子のねりきり。美味しくいただいて、イベントは終了となった。


そんなふうにハロウィンを楽しんでいたら、ひとつ小さな物語を思いついたので、例によって掌編ツイッター小説にまとめてみた。

タイトルはハロウィン名物のあのセリフ。今回は、タイトル含めて140文字だ。
短いんだから、読んでくれないと、イタズラしちゃうよ(笑)



『トリック・オア・トリート』


スーツの背中に向かって、
そう言ってみる。

振り向いた彼は、
苦笑いでパティスリーを指差した。

まだお菓子でいいと、
本当に思ってるの?

溜息に揺れる
制服のスカーフ。

来年のハロウィンまで、
ずっと悪戯をしてやろうかな。

それとも、
悪戯の代わりに
キスでもしてやろうかな…


  stella white12
 月刊・Stella(ステルラ)10-11月合併号参加 小説・短編

北陸・飛騨 whirlwind tour (後半)

 
ホテルをチェックアウトする時刻になっても、雲行きは怪しいままだった。
インターネットでチェックした新穂高ロープウェイのライブ映像も、霧に閉ざされている。
高額な運賃を払ってロープウェイに乗っても、これでは何も見えないだろう。協議の結果、天気の回復に一縷の望みをかけて、先に上高地に行くことにした。


上高地は、環境保全のために、マイカーの乗り入れが全面禁止されている。
信州側からの観光客は沢渡、飛騨側からの観光客は平湯の駐車場に車を停めて、シャトルバスかタクシーを使って行くしかない。

シャトルバスには、大きなリュックを装備した登山者と、私たちのように軽装の観光客が半々くらいに乗り合わせている。上高地は観光スポットであると同時に、穂高岳や槍ヶ岳など北アルプスの山々への登山口でもあるのだ。
軽装の観光客には、外国人も多い。昨日の白川郷もそうだったが、観光地の国際化は加速しているように感じた。

釜トンネルを抜けて上高地のエリアに入ると、雲間から日が差し始めた。
大正池の畔でバスを降りて、ここから上高地のシンボルである河童橋まで、4キロほど散歩をして行こうと思う。
バスターミナルから河童橋を経て明神池を目指すコースもあるが、あちらは徒歩で2時間ほどの往復コースになる。弾丸ツアラーには、そんな時間も体力もないのである。

大正池はその名の通り、大正4年の焼岳の噴火で梓川がせき止められてできた湖だ。透き通った湖面に焼岳を映し、枯れた立木が立ち並ぶ、上高地を代表する景色だ。
梓川が運び込む土砂で埋まりいずれ消失すると言われているが、湖を管理する東京電力が浚渫をして維持に努めている。

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大正池から河童橋までの散歩コースは、清流の梓川沿いに歩く気持ちのいい散歩道だ。アップダウンはほとんどなく、道は整備されているので、老若男女を問わず楽しめる。

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道中には、湿原の田代池や、

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上高地を広く世に知らしめたウォルター・ウエストンのレリーフもある。

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歩いている観光客は多く、賑やかな道だ。
そんな散歩道を歩いていると、野生の猿の群れと遭遇した。ちょうど昼食の時間らしく、猿たちは笹の葉を食べながら移動していた。人間も写真を撮るくらいでちょっかいをかけないし、猿も人間に慣れているようで、平気で足元をかすめて歩いていく。奇妙な光景ではあるが、絶妙な距離感でもあった。

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ところで、今日8月11日は、奇しくも「山の日」だった。
上高地ではそれを記念して、クイズラリーが行われていた。チェックポイントでクイズに答えていくと、記念品がもらえるという。散歩のコースとチェックポイントは一致していたので、参加してみた。
山や上高地にまつわるクイズだが、答えに窮してもスタッフがわかりやすいヒントを出してくれるので、難なく全問正解となる。
最終チェックポイントのバスターミナルでは、記念品の絵葉書をいただいた。


大正池からのんびりと歩いて、1時間ほどで河童橋に着いた。
上高地を紹介する写真には必ず映っている吊り橋だ。晴れていれば穂高連峰が望めるはずだが、残念ながら雲の中だった。

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お昼を過ぎているので、ここで昼食をとることにした。
上高地の観光の中心だけあって、観光客の数は多い。それに比して飲食店の数は少ないので、どこも長蛇の列だった。
比較的空いていた「レストラン小梨」で、上高地コロッケカレーを注文して、テラスの席でいただいた。ご当地モノはあまり美味しくないケースが多いが、このコロッケは味もボリュームも満足できるものだった。しかし、よく考えてみると、カレーもコロッケも、上高地でなくても食べられるメニューではあった。


上高地の散歩を終えても、新穂高ロープウエイのライブ映像は霧に閉ざされたままだった。
残念だが、無駄足と分かっている以上は諦めるしかないだろう。代案として、帰路をたどりながら、平湯大滝と飛騨大鍾乳洞に立ち寄ることにした。

まずは平湯大滝だ。
冬はスキー場になる牧場の駐車場に車を停めて、だらだらとつづく急坂を歩いて上る。たしか以前に来た時には、滝のすぐ傍まで車で行った記憶があるが、なぜか道路は車両侵入禁止になっていた。
どうも今回は、自家用車お断りの観光地が多い。
ほぼ直線のかなり急な登り坂で、途中で足が痛くなり息も上がってくる。ようやくたどり着いた滝の間近には、記憶どおりに駐車場があった。駐車料金をとってもいいから、ここまで車でこさせてほしいものだ。
駐車場跡から渓流沿いの遊歩道を数分歩くと、平湯大滝に着く。

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滝つぼの近くまでは行けないが、落差64メートル、幅6メートルの滝はじつに迫力がある。どどどっというお腹に響く重低音が、ここまで響いてくる。
じつに見事な滝なのに、駐車場は遠いわ土産物屋の一軒もないわという冷遇ぶりで、いささか不憫に思った。


平湯大滝から高山に向かう国道158号線のちょうど半ばあたりで右折し、山間に分け入っていくと飛騨大鍾乳洞がある。
平湯大滝で思いがけず時間を使ってしまったこともあり、土産物屋が取り囲む広大な駐車場に着いたときには、閉館の10分前だった。

鍾乳洞に付属している博物館は完全スルーして、さっさと洞窟に向かう。
「大鍾乳洞」などという御大層な名前なので、さぞや巨大な入洞口があるのかと期待したが、身の丈ほどの洞口に一般家庭の勝手口みたいなアルミサッシのドアが取りつけてあるだけだった。
ドアの横には、「入口から100メートルがいちばん美しい部分です」「途中に三か所の出口があります」という案内が掲げられている。最初の部分だけ見ればいい、と言わんばかりだ。
いろんな意味で、期待がしぼんでいく。

気を取り直してドアを開けると、暗い洞内から冷気が吹き出してきた。まるで大型の冷凍冷蔵庫に入るような気分だ。
洞内を少し進むと、いきなりカラフルにライトアップされた場所に出た。

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そこから先は、比較的狭い洞穴が延々と続く。大きさよりも、長さのある鍾乳洞だ。
足元には冷水が流れ、天井からはひっきりなしに水滴が落ちてくる。乾燥していない、まだ「生きている」感じのする鍾乳洞でもあった。


今回の観光はここでおしまいで、あとは帰るだけになる。
車に戻って、ナビにJR金沢駅をセットすると、到着予想時刻が19時50分と出た。
約2時間かかるわけだが、これはちょっとまずいことになっている。帰りのサンダーバードの発車時刻は19時47分だ。
正直に白状すると、時間を完全に読み違えていた。

焦ってもしかたがないが、サンダーバードの指定席は予約するときに苦労して確保したので、できれば間に合わせたい。
国道158号線、高山清見道路、東海北陸自動車道と、事故を起こさない程度に急いで車を走らせる。だが走っても走っても、到着予想時刻は繰り上がらない。
車窓には、夕闇が迫る飛騨の山間の風景が展開している。時間に追われていることがバカらしくなるような風景で、なんとなればもう一本後の列車でもいいかと思う。
しかし北陸自動車道に入ってからは順調に到着予想時刻が早まり、金沢駅に帰り着いて車を返却すると、サンダーバードの発車まで5分残っていた。

コンビニで夕食の弁当を買い、発車のベルを聴きながらサンダーバードに飛び乗った。
弾丸ツアーは最後の最後まで慌ただしかったが、なんとか鉄砲玉ツアーにはならずにすんだのだった。

北陸・飛騨 whirlwind tour (前半)

 
夏休みにどこに行こうか、と話を振ったら、「涼しい温泉」「世界遺産」「美味しいものが食べたい」「兼六園」という答えが返ってきた。
なんかひとつだけ、妙に具体的な目的地が指定されている。「兼六園」は、石川県金沢市にある庭園で、日本三名園にも数えられる観光名所だ。必然的に、そこを中心に考えることになった。

行先が金沢ならば、「美味しいものが食べたい」のクリアは容易い。問題は「世界遺産」と「涼しい温泉」だ。
「世界遺産」には心当たりがある。白川郷と五箇山の合掌集落だ。いずれも、金沢から高速道路を使えば一時間くらいで行ける。
最後の問題は、「涼しい温泉」だ。夏の北陸は意外に暑いので、加賀温泉郷は除外だろう。白川郷まで足を延ばすのなら、もうひと頑張りすれば、奥飛騨温泉まで行けないこともない。
そして奥飛騨温泉まで行くのなら、新穂高ロープウェイと上高地は外せない。

あれこれ考えているうちに、休暇の日程が怪しくなってきた。お盆前の二日間、要するに、一泊二日しかとれなくなった。

神戸から出発して一泊二日で、兼六園、五箇山、白川郷、奥飛騨温泉、新穂高ロープウェイ、上高地を回る。気が付くと、有名観光地が満載の、バス会社が企画しそうな、弾丸ツアーが出来上がっていた。
題するなら『あこがれの奥飛騨温泉と上高地。世界遺産の五箇山・白川郷と兼六園をめぐる旅』というところだろう。


8月10日、朝7時ちょうど。大阪駅から特急サンダーバード3号に乗り込んだ。
今朝は5時起きだった。いつもの通勤時刻より、一時間も早い。参加者の面々も眠そうだ。金沢までの二時間半は、あっさりと睡眠タイムになった。

金沢駅でレンタカーを借り、市内を走ってまずは兼六園を目指す。
唯一、具体的な希望があったところだ。敬意を表して、最初に訪れることにした。もっとも、最初にここに行っておかないと、あとの行程が組めなかったのだが。

「兼六園」は、最初に書いたとおり、北陸を代表する観光地だ。極め付きの日本庭園で、見どころは多い。じっくり見れば数時間はかかるだろう。
だが、弾丸ツアーに、そんな時間的余裕はない。「兼六園」では、所要2時間で観光と昼食を予定している。
そこで、ガイド付きツアーに参加することにした。所要40分で、園内の有名どころを案内してくれる。

ガイドについてくれたのは、いかにもベテランという感じの女性だった。
「兼六園」のメインの入り口、桂坂から霞ケ池、徽軫灯籠、唐崎の松、雁行橋、曲水の杜若、根上松、辰巳用水、噴水、夕顔亭と園内を巡る。
庭園は多くの樹木に包まれた池泉回遊式であるが、金沢城に隣接する高台にあり市街を見晴らすこともできる。
宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六つを兼ね備える名園、という意味の「兼六園」、その名の通りだ。

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ガイドの女性は、夏空の下、汗をぬぐいながら案内をしてくれた。庭園に関する話だけでなく、加賀藩の歴史や、金沢の観光案内にも話題は及び、名所では写真撮影もしてくれて、ガイド料金は一人500円だった。申し訳ないくらいに、ありがたいツアーだった。

早めの昼食は、園内の噴水の前にある「兼六亭」で、名物の「じぶそば」を頂いた。
冷たいかけそばに、金沢の名物料理「治部煮」がのったものだ。
暑い中を歩いてきた後なので、あっさりとしたものが良かったが、見た目よりボリュームがあり、満腹になった。

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金沢の街を後にして、北陸自動車道、東海北陸自動車道を走ること約1時間で五箇山に着いた。
五箇山は白川郷と並ぶ、世界遺産登録の合掌造り集落がある山里だ。観光地として整備が進んでいる白川郷に比べると、素朴な趣を残しているという。
インターチェンジから5分ほど走り、菅沼集落の近くにある駐車場に車を停めた。高台にある駐車場から見下すと、5軒の合掌造りが見える。周囲は深い山に囲まれていて、たしかに鄙びた風情だ。

駐車場から集落まで、かなりの高低差がある。下るのはいいが、帰りの登りが辛いなぁと思っていたら、なんと集落までエレベーターが設置されていた。
田圃を囲むように合掌造りの家々が建つ集落は、観光客の姿も少なく、静かな雰囲気の中にあった。

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もっともそれぞれの家は、土産物屋だったり飲食店だったり資料館だったりと、しっかり観光客目当ての営業をしている。
狭い集落なので、ゆっくりと見て回っても30分ほどの滞在で十分だった。


五箇山から白川郷までは、東海北陸道で十数分の近さだった。
白川郷に来るのはこれで三回目になるが、同行メンバーが違うこともあって、定番のスポット巡りをすることになる。

まずは必見スポットの城山展望台だ。
白川郷荻町の合掌造り集落を見渡す格好の展望台で、訪れる人も多い。
来るたびに駐車場の面積と外国人の割合が増加していることを除けば、風景に大きな変化はなく、数年前に時間が引き戻されるように感じた。

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白川郷荻町一帯は一般車は通行自粛(という名の進入禁止)となっていて、町外れの駐車場に車を停めることになる。お盆休み前の平日だというのに駐車場は満車になっていて、さらに町外れの第二駐車場に回された。

朝からの晴天が、ここにきて雲行きが怪しくなっている。雨傘を携えて散策にくりだした。

土産物屋と飲食店の並ぶメインストリートを歩き、重要文化財の合掌造り民家である和田家を訪れた。
観光地然としてしまった白川郷の中で、和田家の周辺はぽっかりと抜け出したように山村の風情を残している。屋内は資料館になっていて、合掌造りの構造や暮らしぶりなどがよくわかるようになっている。とりあえずここに来ておけば十分というスポットだ。

和田家を出ると、心配していた雨が降り出した。
雨宿りを兼ねて土産を物色し、雨が上がった頃合いを見て、白川八幡神社に立ち寄った。
時刻は午後5時を回り、日も傾いてきた。
参拝を済ませると、社殿の背後の森からひぐらしの声が聞こえてきた。

思えば、定番のスポット巡りは、そのまま「聖地」巡礼のコースになっていた。


白川郷から東海北陸道、清見高山道路、県道89号線、国道158号線とひた走り、今夜の宿がある奥飛騨温泉郷の新穂高温泉を目指す。

フロントガラスに、ぽつぽつと雨粒が当たる。
天気予報では、今夜から明日にかけては、曇りときどき雨となっている。明日は新穂高ロープウェイと上高地の観光を予定しているが、雨はもちろん曇りでもその魅力は激減してしまう。

新平湯温泉から蒲田川沿いを上っていくと、北欧の山荘風の瀟洒な外観を持つ「穂高荘山のホテル」に着いた。
駐車場に車を停めると、傘をさしたホテルの従業員が出迎えてくれた。ありがたいことで、最近、こういう丁寧な接客が増えているような気がする。
とはいえ、小雨が本降りに変わっていて、これでは宿ご自慢の、北アルプスの眺望と蒲田川の彼方に槍ヶ岳を望む大露天風呂の眺望も台無しだろう。

(晴れていればこんな感じ)
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 ※画像は宿のHPからいただきました

重厚な雰囲気を漂わせるロビーに入ると、「こんばんわ~」と奇声が上がった。
白い筐体の小型ヒューマノイドロボットのPepper(ペッパー)だ。ASIMOのように歩き回ったりしないが、胸のあたりにある液晶パネルを操作してリクエストすると、体をクネクネさせたり、シュールな歌詞のオリジナル曲を歌ったりする。
遊び場がほとんどないホテルなので、子ども向けのサービスなのだろうが、いいオトナな同行の志にも妙にウケていた。

豪華な夕食を終えてお腹が満たされたところで、温泉に浸かろうと思う。
内湯もあるが、なんといっても前述の大露天風呂が目玉だ。すでに真っ暗だし雨模様だから眺望はないだろうが、とりあえず行ってみようということになった。

露天風呂は谷間を流れる蒲田川の河原にあり、ホテルからは小さなモノレールのケーブルカーで下っていく。昨年行った祖谷温泉のケーブルカーは、目もくらむような谷底に下っていくスリリングなものだったが、こちらは森の中を少し下るだけだった。

露天風呂は、いちばん大きな混浴風呂、女性専用、貸切の三つがあった。
時間帯と天候のおかげか他にお客さんはおらず、事実上の貸切状態だったので混浴風呂に入ることにした。思っていたよりも広くて開放的なお風呂で、晴れていればさぞや見事な星空が仰げただろうと思う。

お酒を飲まないので、Pepperをからかうくらいしかすることもない。
健康的に早寝早起きをして、翌朝も露天風呂に出かけた。
蒲田川の流れを望む景色の良い露天風呂だったが、雨雲が低く垂れ込めていて、期待していた槍ヶ岳の眺望はなかった。

【次週の後半に続きます】

小説『ソラへの階段』 ツィッター小説

JR神戸線の某駅から見上げた階段に心を奪われて、スマホで撮影してみた。
自画自賛で恐縮だが、案外、いい感じの写真になった。

そして、それを眺めているうちに、いつもの超短編小説が思い浮かんだ。

月並みなモノだが、よろしければお楽しみいただきたい。


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 『ソラへの階段』

 手を伸ばせば
 そこに届きそうで
 この階段の先は
 そこに続いているようで

 けれど
 私は知っているのだ

 手を伸ばしても
 そこに届かないことを
 この階段の先は
 そこに続いていないことを

 そして
 私は分かっているのだ

 それでもこの階段を
 昇らなければならないことを


  stella white12
 月刊・Stella(ステルラ)8-9月合併号参加 小説・短編

オリジナル小説書きさんへバトン

ブログのお友達 八少女夕さん がなさっていた『オリジナル小説書きさんへバトン』をいただいてきました。
最近、ネタ枯れなので、ありがたく使わせていただきます!

Q1. 小説を書き始めてどのくらいですか?

 曲がりなりにも小説の体をなしているモノで、他人様にお見せしたモノを書いてから、すでにn十年……。年数だけは経っているなぁ(遠い目)

Q2. 処女作はどんなお話でしたか?

 当時所属していた某クラブの文集に寄稿した、紀行文もどき。滋賀県北部の賤ケ岳と余呉湖を旅する「僕」のお話。ホントにしょうもない作品で、読み返すと悶絶するので、未来永劫に渡って封印するつもり。

Q3. どんなジャンルが書きやすいですか?

 旅行が好きで紀行文から入っているので、そういうジャンルが書きやすい……書いてないけど(笑)
 内容よりも雰囲気重視のデコレーション系小説ばかり書いている。たぶん、そういうのが好きなのだと思う。

Q4. 小説を書く時に気をつけていることは?

 文法とか作法とか、そういうムズカシイことは無理なので、気にしていない。誤字、脱字、誤用をなるべくしないように、あと、なるべく誤解なく内容を伝えられるように言葉を選ぶ、くらいかなぁ。

Q5. 更新のペースはどのくらいですか?

 最近は、年に数回という有様。もっと書きたいと思っているけど、書けないんですよね~。

Q6. 小説のアイデアはどんな時に浮かびますか?

 執筆以外のことをしているとき。テレビの特集なんかを観ているときが多いように思う。あと会社の会議中とか(苦笑)

Q7. 長編派ですか? 短編派ですか?

 短編ですねぇ。というか、書く前に息切れがしてしまって、長編が書けない。これは深刻だorz

Q8. 小説を書く時に使うものはなんですか?

 ずっとMicrosoft WORDのお世話になっていたが、最近、動作が不安定になってきたので、怖くて使えなくなった。しかたがないので、無料テキストエディタの「Mery」を使い始めた。

Q9. 執筆中、音楽は聞きますか?

 ウォークマン&イヤホンで、J-POPとかアニソンとかクラシックを聞いていることが多い。BGMとして聞き流すだけだけど。

Q10. 自分の書いた小説で気に入っているフレーズを教えてください。

 では自慢を兼ねて、三つほど。

『妹背の桜』第三章「幻月」より

 そのときのあのひとの笑顔を、わたしは忘れることができないだろう。
 喜んでいるのか、悲しんでいるのか、笑っているのか、泣いているのか。どうすれば、人はこんな表情ができるのだろう。あのひとが、とても遠くに感じた。それは、わたしには絶対に触れることができない笑顔なのだと思った。
 その瞬間、わたしの中に、ひとつの火が点った。ちがう、とわかっていた。けれど、その火はどんどん燃え上がった。もう、心も身体も、わたしの言うことをきかなかった。


『あの日、星空の下で』「Sign08. レオ・シューティングスター」より

「じゃあ、行ってくるね。智之ちゃん、詩織ちゃん」
 小さく手を振った綾乃は、リュックを肩にした。
 ポニーテールとシュシュと背中のリボンが、ゆらゆらと揺れながらセキュリティチェックの人の列に飲み込まれていく。綾乃はもう、振り返ることはなかった。
 そのとき、不意に、僕の胸がぎゅっと締め付けられた。あのゲートの向こうは、僕には手の届かない世界だ。綾乃が、いつまでも手を繋いでいられると思っていた幼馴染が、とても遠くに感じた。
「綾乃っ!」
 聞こえるはずがないとわかっていたが、僕は思わずそう叫んでいた。そのあとに言うべき言葉など、考えていなかった。ただ、もう一度、綾乃に振り向いて欲しかった。


『ウィーンの森』より

 秋の日の午後、イズミがいつもの席でメランジェを飲んでいると、不意に風にのってシュテファン寺院の鐘の音が聞こえてきた。彼女は、カップを両手で包み込むように持ちながら、目を閉じてその音に聞き入った。祈り、憧憬、あるいは思慕だろうか。僕にはうかがい知ることもできない心情が、イズミの横顔にかすかな陰影を浮かび上がらせていた。風に黒髪が揺れるたびに、その横顔は微妙に表情を変えた。僕は言葉を失い、彼女を見つめることしかできなかった。
 鐘の音が止むと、イズミはひとつため息をついてから、口をひらいた。


Q11. スランプの時はどうしてますか?

 執筆とは関係ないことをする。最近はずっとスランプなので、執筆と関係ないことばかりしているという、笑えないオチに。

Q12. 小説を書く時のこだわりはありますか?

 前にも書いたことがあると思うけど、登場人物がその時その場所で、見えたもの、聞こえたもの、感じたものなどを書き込みたいとは思っている。それと、創作(フィクション)以外の部分は、できるだけリアリティを持たせたい。追体験をしてもらえれば、とか不遜にも考えているので。
 あとは情景が動画として見えるように書きたいと思っている。将来の映画化が前提……(以下自粛)

Q13. 好きな作家さん&影響を受けた作家さんはどなたですか?


 北杜夫、宮脇俊三、佐々木丸美ですね。あとは、福井晴敏、森博嗣、瀬名秀明、小野不由美なんかも好きですし、影響を受けていると思います。

Q14. 感想、誤字脱字報告、批評……もらえると嬉しい?

 嬉しいです。やはりネットに流しているのは、反応が欲しいからだし。 たんなる誹謗中傷でなければ、きついご意見や批評もOKです。もちろん、褒めてくれるとすごく喜びます。

Q15. 最後に。あなたにとって「書くこと」はなんですか?

 趣味そして娯楽。それを超えるレベルにはできそうもないし、それ未満のレベルではやりたくないので。


みなさんすでになさっているバトンですが、夏休みを持て余しているヒマな方がいらっしゃったら、お持ち帰りくださいませ。
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ようこそ

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TOM-F

Author:TOM-F
 
 ようこそ、Court Cafe へ。

 自作小説をメインに、アニメや旅行記など趣味のお話を綴っています。
 楽しいひとときを、おすごしください。

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